仙台フィル第300回定期を記念に東京公演を開催、「今の東北にはドラマが必要」

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仙台フィル第300回定期を記念に東京公演を開催、「今の東北にはドラマが必要」

 仙台フィルハーモニー管弦楽団が、定期演奏会が300回目を迎えることを記念し、4月17日に東京にて特別演奏会を開催する。

 仙台フィルは1973年に誕生したオーケストラで、過去には故・芥川也寸志が音楽総監督、外山雄三が音楽監督を務めてきた。2011年の東日本大震災では、拠点ホールの被災により演奏会の中止を余儀なくされたが、約2週間後となる3月26日に仙台市内の寺院で復興コンサートを行い、現在に至るまで500回以上の復興支援コンサートを行っている。

 現在、常任指揮者を務めるパスカル・ヴェロは本公演について「ある哲学者に“音楽のない人生は間違いであろう”という言葉があります。(震災以降)私達自身、非常に深く音楽の役割を感じました。枠組みを超えて、私たちの持てる力を200%使って、仙台の人々のハートをまとめたい」と語った。

 今回、演奏されるのはベルリオーズの「幻想交響曲」と「レリオ、また生への回帰」だ。「レリオ」は、「幻想交響曲」の続編であり、続けて演奏するようにとベルリオーズが指示しているにも関わらず、演奏機会が非常に少ない作品である。ヴェロは「幻想交響曲は死を表していて、レリオは“生への回帰”という副題が付いています。これは、私達が体験してきたことと共通する部分があります。今回は、この2つの作品を、照明や舞台、俳優の役割も続けて繋がりを持って上演したいと考えている」と説明した。

 モノドラマである「レリオ」でレリオ役を演じる俳優の渡部ギュウは「この作品は、主人公のレリオが自分の生い立ち、生涯、そしてこの楽曲がどう生まれてきたかということを舞台上で解説していくという面白い作品です。一般的に“1人芝居”と言うと、退屈で難解というイメージがありますが、言葉の意味に響きやパッションを加えることで、分かりやすく伝えていければ」と意気込みを語った。そして、「震災後、あまりにも現実が非日常すぎて、ドラマが通用しない時期がありました。ですが、今は5年たって、今 東北にはドラマが必要だと感じています。ドラマというのは、主人公が色々な人の力を借りて、敵を打ち破り、前へ向かうというもの。演劇的に、激しい情熱的なステージになるのでは」と締めくくった。

◎公演概要
【仙台フィルハーモニー管弦楽団 300回定期演奏会】
4月15日(金)、16日(土)日立システムズ仙台コンサートホール
4月17日(日)東京公演 サントリーホール
曲目:ベルリオーズ「幻想交響曲~ある芸術家の生涯~作品 14a」
   ベルリオーズ「レリオ、または生への回帰」抒情的モノドラマ 作品14b
出演:指揮/パスカル・ヴェロ、語り/渡部ギュウ、テナー/ジル・ラゴン、バリトン/宮本益光、合唱/仙台フィル第300回定期記念合唱団

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