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ペット飼育OKなのに「猫」はNG、の賃貸住宅

ペット飼育OKなのに「猫」はNG、の賃貸住宅

犬や猫は私たちより先に逝くことが宿命づけられた小さな命といえ、彼らを無条件で愛しいと思い、一緒に暮らすことを望んだり不幸な境遇にあれば助けたいと思ったりするのは、多くの人にとって自然な感情ではないでしょうか。●連載「猫と暮らす住まいの理想と現実」
以前に比べてペットOKな集合住宅が増えてきましたが、実は犬より猫のほうが禁止されていることが多い。猫には猫の習性や飼育方法があり、それらを理解して適切に対応すれば、人と猫がともに幸せに暮らせる住まいが、もっとたくさんつくれるはず。ニッセイ基礎研究所で長年不動産マーケット調査にたずさわってきたアナリスト目線と個人的に猫が好きで積極的に里親にもなってきた猫好き目線をもつ筆者が、5回にわたって「猫と住まい」の「理想と現実」についてお伝えします。犬と猫の数は人間の子どもより多い時代、ペットが飼える分譲マンションは増加傾向

少子高齢化が進む日本では、飼育される犬と猫の数は2000万頭と人間の子どもの数(15歳未満人口:1600万人)を大きく上回り、家族の一員として扱われるようになっています。いまや、「ペット(愛玩動物)ではなく人生のパートナー(伴侶動物)」だという人や、「ペットは子育てを終えた夫婦をつなぐかすがい」という人もいるほどです。

ところが、公団住宅など古い団地ではペット禁止が当たり前で、民間の分譲マンションでも10年以上前ならペット飼育可物件は1割もありませんでした。それが、最近分譲される多くのマンションでは、体長や体重、頭数の制限などの条件付きではあるものの、犬や猫などのペットが飼えるようになっています。

一戸建て住宅の特権だったペットとの同居が、いまや分譲マンションでも当たり前になっているのです。1997年に建設省(現国土交通省)が、ペット飼育を認めるか認めないかをマンション管理規約に定めるべき事項と位置付けましたが、それから20年近くを経て、ようやく分譲マンションでのペット飼育が一般的になってきたといえるでしょう。ペット飼育の阻害要因、1位は「集合住宅で禁止されている」

一方、アパートや賃貸マンションでも、ペット飼育可物件は増えてきているものの、数は非常に少なく、ペット飼育可でも犬はオーケーだが猫はダメという物件がほとんどです。ある不動産会社によると、賃貸住宅でペット飼育可物件は全体の5%程度しかないとのことですから、猫の飼育可物件はさらに少ないとみるべきです。

一般社団法人ペットフード協会の調査では、猫を飼いたくても飼えない阻害要因の1位は「集合住宅に住んでいて禁止されているから」で、3人に1人が理由として挙げています。集合住宅とはアパートや賃貸マンション、分譲マンションのことです。また、犬を飼いたいのに飼えない理由についても住宅事情が阻害要因の1位になっていますが、理由に挙げた人は4人に1人ですから、猫の飼育不可の集合住宅の多さがうかがわれます(図1参照)。

【図1】犬と猫の飼育、阻害要因(上位5位)、現在猫を飼っておらず今後猫を飼いたいと思っている人が挙げた理由の高い順、1位は断トツで「集合住宅に住んでいて、禁止されているから」(出典:一般社団法人ペットフード協会「犬猫飼育率全国調査(平成26年)」)

【図1】犬と猫の飼育、阻害要因(上位5位)、現在猫を飼っておらず今後猫を飼いたいと思っている人が挙げた理由の高い順、1位は断トツで「集合住宅に住んでいて、禁止されているから」(出典:一般社団法人ペットフード協会「犬猫飼育率全国調査(平成26年)」)

なお、年代別にペット飼育の阻害要因をみてみると、「集合住宅に住んでいて禁止されている」が1位なのは、20歳代(50.0%)、30歳代(42.4%)、40歳代(38.5%)と若い世代に偏り、持ち家率が高い50歳代以上は住宅事情よりも、「別れがつらい」、「死ぬとかわいそう」、「最後まで世話ができない」など高齢世帯特有の理由が1位になっています。

猫の保護活動に取り組むNPO法人東京キャットガーディアンが日本で初めて考案した「猫付きマンション」と「猫付きシェアハウス」が注目を集めているのは、猫を飼いたくても飼えない賃貸住宅が多すぎる現実の反映ともいえそうです。

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