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産休後に現場復帰 「ママウンサー」が増えている理由とは?

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ママとして復帰する女子アナ、「ママウンサー」の実情について考察。

 * * *
 以前、TBSの吉田明世アナウンサーが某スポーツ紙のコラムで、「ママウンサー」が増えつつある同局は働きやすい職場だ…ということを書いていた。自分もいつかはママウンサーとして仕事をしてみたいとも希望を綴っていた吉田アナ。ちなみに、まだ結婚の予定さえなさそうである。

 ラジオと兼営であるというのも大きな理由だが、TBSに“女子アナ30才定年説”はないように思う。他局のように、30代になった途端にアナウンス部から広報部や宣伝部に異動させられたという話もそういえば聞いたことがない。

 実際、40代になっても、たとえば小倉弘子アナ、小川知子アナ、堀井美香アナらは、結婚、出産し、現場に復帰。長岡杏子アナの復帰もそろそろではないだろうか。

 彼女たちは、朝帯や昼帯の生放送や夕方のニュースでコーナーを仕切ったり、若手が夏休みの折、ピンチヒッターとしてMC席に立つこともある、いまも“メインどころ”。40代目前の39才である山内あゆアナは夕方の『Nスタ』をまさにメインで仕切っている。

 吉田アナが言うように、TBSはママウンサーが多いし、産休後も仕事で輝ける局と言っていいのだろう。

 実は、こうした会社になるには、組合員だった小島慶子元アナの尽力が大きい。局アナ時代にママウンサーになっていた同アナが、あの圧の強さと勢いで(!)諸条件を勝ち取っていったと思われる。

 こういう力強く頼れるママウンサーの先輩がいてくれると、後輩アナらも産みやすくなるのだと思う。ちなみに、件の小川知子アナと堀井美香アナは小島慶子アナと同期だ。

 30才定年説がもっとも根強く残っているように見えるフジテレビでさえ、最近はママウンサーが増えている。が、「現場では、色々言われているのも事実」と某男子アナがボヤいているのを聞いた。昼も夜もないような生活が当たり前のテレビ局にあって、ママということで早々に退社する女子アナに周りが慣れていないように見受けられる。フジテレビにも小島慶子が欲しい…と思っている女子アナがいたりして(苦笑)。2回目の産休に入っている中村仁美アナの復帰後の扱われ方がひじょうに気になる。

 そしてテレビ朝日の女子アナも、よく産んでいるという印象がある。アナウンサー同士の結婚がもっとも多い同局では、部内に出産しやすいムードがあるのかもしれない。やはり、同じような環境で、同じような事情を共有できることが強みとなるのであろう。

 では日本テレビはどうだろうか。昨今、同局は、20代の女子アナに大きなチャンスを与えているように見える。『ZIP!』には13年入社の郡司恭子アナと中島芽生アナ。『スッキリ!!』には14年入社の岩本乃蒼アナ、『NEWS ZERO』には12年入社の久野静香アナと杉野真実アナ。杉野アナは人気番組『世界まる見え!テレビ特捜部』のアシスタントも務めている。

「好きな女子アナランキング」第一位をひた走る三ト麻美アナは00年入社。『ヒルナンデス!』を毎日仕切り、バラエティー番組からも引っ張りだこだ。今年入社の、あの笹崎里菜アナにも『シューイチ』というレギュラー番組がある。11年入社の徳島えりかアナも、『行列のできる法律相談所』はじめレギュラー番組5本をもつ売れっ子だ。

 一方、ママウンサーとして成功しているのは『news every.』の16時台をNEWSの小山慶一郎と共に仕切っている鈴江奈々アナぐらいしか浮かばない。ニュースでは、森富美アナが午前中や早い午後に出てくるが、出戻りの葉山エレ―ヌアナはほとんど見かけない。

 また産休中の延友陽子アナにしても、佐藤良子アナや杉上佐智枝アナにしても、もともと、それほど目立つタイプではなかったせいか、TBSの40代ママウンサーに比べると地上波で見ることは少なくなった。

 その理由はどこにあるかというと、あまりにも“前例”が少なすぎるからだろう。石川牧子元アナ、鷹西美佳元アナ、笛吹雅子元アナ、そして現役最年長の井田由美アナら、大先輩たちの多くは独身であり、もちろん、子供もいない。

 その時代の女子アナとしては、こちらのほうがスタンダード。他局を見ても、TBSの吉川美代子元アナや、フジテレビの益田由美元アナ、城ヶ崎祐子元アナ、桜井郁子元アナらは、結婚経験はあっても出産経験はない。

 出産がキャリアを絶対的にストップさせることになりかねない時代だったからこそのことであり、女子アナのみならず、一般企業でも、この年代のキャリアウーマンにはママが極端に少ない。

 こうした先輩がバリバリと仕事をし、キャリアを重ねているのを目の当たりにしていれば、そのスタイルに憧れる人は多いだろうし、「もしも産みたかったら退社する」という選択になってもしかたがあるまい。

 日テレが、一気に女子アナの若返りをはかった背景には、結婚も出産も当分しないであろう若手を積極的に起用し、時間をかけて育てていこうという現れなのだろう。番組の視聴率を安定させるために、それは正しい選択だ。

 視聴者とて、「ママウンサーが多いから、この局を多く見よう」と思ったりはしないだろう。しかし、これがママタレなら話は別。生活情報番組やバラエティー番組でママタレは数字をもっている。ここがママタレとママウンサー、最大の違いかもしれない。何より、視聴率で、三冠、四冠を続けているのは日本テレビである。

 ママウンサーの急増は、女性としては応援したいし喜ばしいことだと思うが、テレビ局の本音は少々異なるのかもしれないと思う今日このごろである。


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