ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

第29回 飲食事情(年末年始編1)

DATE:
  • ガジェット通信 GetNewsを≫
第29回 飲食事情(年末年始編1)

 警察にいたときの運動時間に、留置係官から「正月にはいつもより格段に良いおせち料理が出て、昼にはカップ麺だけど年越しそばが出るよ」と聞いていた。
 元日に年越しそばなんだと笑いながら聞いていたが、拘置所に移監されたので真偽は不明であるものの、留置係官の話であったから信憑性は高い。

 拘置所での食事は12月30日から特別バージョン入りとなる。30日から1月3日までの5日間は毎日特別支給品がある。
 5日分それぞれについて何が出たかを羅列してもあまり意味がないから具体的には書かないが、毎日大量のお菓子が支給される。
 この特別支給のお菓子は4日の午後までに食べ終わらなければならず、余った場合にはすべて没収となる。普段はお菓子などあまり食べない私であったが、もったいないので完食した。

 大晦日には年越しそばが振る舞われる。ちゃんと大晦日である。
 いつもの夕食が配られるのに先立って居室への差入口に置かれたのは「どん兵衛きつねそば」である。夕食後にお湯が配られるということでとりあえず脇に置いておく。大晦日の夕食は、その後にきつねそばが控えていることもあって、いつもより少なめの麦飯、切り干し大根と人参と豆の煮物、鮭切り身焼き物である。

 食後に空下げが行われ、いよいよお湯が配られる。「お湯~」という配膳係の声がするとカップ麺の蓋を開けて待つ。1室から順にお湯が注がれていく。
 配膳係に付き添っている刑務官に「3分経ったら教えてくれるのですか」と聞いてしまった。ここには時計がないから時間が分からないのだ。
 ただ何人にも順にお湯を注いでいくのだから3分の経過を教えるなんで土台無理なことで、質問した私が阿呆だった。案の定刑務官からは「そんなことは無理。自分で判断しろ」との答えが返ってきた。

 カップ麺といえども麺好きの私には久し振りでおいしかった。でも、備付けの箸が塗り箸で、麺をうまくつかむことができないのがもどかしく、何より一人でこんなところで迎えた大晦日は悲しかった。真実罪を犯したならば別であろうが・・・。山中の静かな拘置所に除夜の鐘が響いてきた。

 三が日の特別料理は、毎朝の三食と元旦の昼食の合計4回供される。元日の朝食から紹介していく。
 ご飯、お湯で温められたパック入りのおもち1個、大振りの海老・かまぼこ・伊達巻というおせち料理、柴漬け、これにすまし汁がつく。ラジオからは宮崎のお雑煮はすまし汁だという放送が流れている。
 「麦飯」ではなく「ご飯」が出る。「麦飯」ではあるのだが、白米かと見間違うほどに麦の割合が激減していた。もっとも大分刑務所での正月は完全白米であったが。それでも、それまでの麦飯に慣らされつつあった私には感動のご飯だ。

 海老の大きさにも驚いた。直径が2~3センチ長さは髭の部分を除いても15センチほどもある。身体拘束をされていながらこのような物を食べることができるとは思わなかった。年末になると寒さしのぎもあるが、そこそこの食事があるということで入所希望の犯罪者が増えるというのも納得できる。

 昼食が本格的なおせち料理となる。朝食と同様のご飯、お吸い物に加えて、縦横40センチもあろうかという大きな弁当が配られた。「祝」と書かれた紅白の和紙に包まれた、見るからに豪華そうな弁当である。
 一面では炊場で刑務作業をする受刑者を休ませるという側面もあるのだろうが、それにしても豪華である。中をあければ美しく彩られたいくつかのプラスチック容器が整然とならんでいる。その内容は次回以降に書こう。(つづく)

元記事

第29回 飲食事情(年末年始編1)

関連情報

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。