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ラグビー代表 厳しすぎる指導に一時「反エディー派」できた

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「新しいラグビーの歴史を作りました」──エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が凱旋記者会見で日本語で語った。その通りだ。

 ラグビー日本代表はW杯で強豪・南アフリカを下すと、サモア、アメリカを撃破し、予選成績は3勝1敗。惜しくも勝ち点の差で決勝トーナメント進出を逃したが、現地イギリス紙は、「大きな体格同士の闘いになりがちなラグビーだが、日本は技術で補える余地があることを知らしめた」(ガーディアン紙)、「最も不運で最も勇敢なチーム」(デイリー・テレグラフ紙)と、日本代表の健闘をこぞって賞賛した。

 なぜ日本代表は“突然”強くなったのか? ラグビージャーナリストの村上晃一氏が解説する。

「これまでの日本代表はW杯を見据えてチーム強化をするというより、『目の前の試合でベストを尽くせば、いずれ力がつく』という考え方でやってきた。それがエディー・ジャパンになったことで、4年間みっちりW杯本番を見据えて入念に準備する体制になった。

 具体的には、4年間の長期計画を組んだうえで、本番前の今年は4月からみっちり練習を積み上げてきた。練習も多い時は早朝5時から、1日4回に分けた走り込みやチームプレーのメニューをこなしていた」

 他国の選手は自分が普段所属するチームのリーグ戦などに時間を割かれ、2か月程度しかW杯に向けた練習ができない。そんな中、日本代表はW杯に向けて猛練習を行なっていた。

 体格に勝る優勝候補チームと戦うには、ぎりぎりまで筋力とスタミナをつけ、スピードと持久力で対抗するしかない。その練習は内容、量ともに通常の域を超える。厳しすぎる指導に、一時は「反エディー派」ができたともいわれる。

「ジョーンズHCは徹底して、選手をいじめ抜きましたからね。彼には選手に嫌われてもいいという信念があった。ジョーンズHCにいじめられて辞めていった選手は実は少なくない。その反面、チームに残ったメンバーはとことん鍛えられました」(ラグビー批評家・中尾亘孝氏)

 HCを信じて苦難に耐え抜き、そして報われた。だから選手たちはアメリカ戦後に涙を流したのだろう。バックアップ体制にもジョーンズHCの徹底があったようだ。村上氏の話。

「この4年間、エディー・ジャパンは今回のW杯で試合会場となる競技場を使ってのテストマッチを組んだり、選手が大会中に泊まることになるホテルを選手自身が事前に見学できるようにしたりと、つねにW杯本番を意識させるよう仕向けてきたんです」

 海外遠征や国内での国際試合、合宿などを含め、こうした代表チームの行動には先立つものが必要だ。

「協会に無理をいって、多額の費用をかけてチーム強化をしてきた。今回の日本代表のめざましい活躍に、資金難も少しは解消されるかもしれません」(中尾氏)

※週刊ポスト2015年10月30日号


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