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クラウドが変えたソフトウエアの買い方。「サブスクリプション」って何?

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プロ用高級ツールも手軽に使える「サブスクリプション」

サブスクリプションは、もともと英語で定期購読、購読料、加入契約などを意味するが、ICT用語では一般に、ソフトウエアの利用形態を指す。ソフトウエアを買い取るのではなく、使用した期間に応じて料金を支払う方式で、セキュリティ対策用ソフトなどがその典型だ。むろん、いまに始まったやり方ではない。にもかかわらず、あらためてサブスクリプションが注目されるのには理由がある。それはクラウドの普及と定着を背景にソフトウエアの販売がパッケージ、ダウンロードからサブスクリプションへと舵が切られ、それがユーザーにも支持されているからだ。

たとえば、ソフトウエアのみを開発販売する企業として、世界最大のアドビシステムズを例にとろう。アドビシステムズは、これまで印刷物や映像、ウェブ制作などのプロが使うソフトウエアを、その組み合わせに応じて定価14万円から40万円のパッケージで販売していたのだが、それを終了して、代わりに、すべてのソフトウエアとそのモバイル版を月々4,980円で使えるAdobe Creative Cloudを新設した。このCreative Cloudでは、常に各ソフトウエアの最新バージョンが使える。その結果、アドビシステムズは、Creative Cloudを開始した2012年から2014年までの2年間だけで20%以上もの新規ユーザーを獲得したのだ。

Adobe Creative Cloudのメンバーになると、このようにAdobeの全製品がいつでもインストールして使用でき、また常に最新バージョンにアップデートされるのだ

デバイスを選ばず、いつでもどこでも使える「サブスクリプション」

だが、サブスクリプションの良さは初期費用が掛からず、いつでも解約できる手軽さにとどまらない。というのは、クラウドから契約者一人ひとりに提供されるサブスクリプションは、端末ごとの利用を想定したパッケージ版やダウンロード版と違い、複数の端末にインストールできることが多いからだ。

実際、Adobe Creative Cloudの場合、一契約でMac、Windowsを問わず、2台のパソコンにインストールできるため、同時起動はできないものの、たとえば、仕事場用ウィンドウズと自宅用マックのそれぞれで使うことが可能になっている。また、ビジネスで必須となるマイクロソフトのOfficeをサブスクリプションで利用できるOffice 365 Soloの場合は、月々1,274円でパソコンとタブレット、スマートフォンにおのおの2台ずつインストールすることができる。加えて、Office 365 Soloには、クラウド・ストレージがなんと1TBもついてくるのだ。ほかに日本語入力システムのATOK Passportも月々268円でひとり10台までインストールできるし、パソコンやタブレット、スマートフォンを問わずにユーザーの単語登録は共有され、日々使うことで得た最適な変換結果がどのデバイスでも利用できる。

このように、クラウド環境とサブスクリプション方式の組み合わせは、いまあらゆる分野で私たちのライフスタイルを変えつつある。音楽の場合を例にとると、Apple MusicやGoogle Play、AWA、LINE MUSIC、auの「うたパス」などの定額ストリーミング配信がここ数カ月で出揃ったことによって、多くの音楽ファンの認識ががらりと変わった。どう変わったかというと、所有して楽しむのではなく、好きなときに好きな場所でシェアして楽しむようにと。

もちろん、モバイルでクラウドを利用する場合にはバッテリー消費やデータ通信量などの課題がまだ残る。しかし、音楽ほど急激ではないにしろ、私たちのソフトウエアとのつきあい方も、音楽同様に、いつでもどこでもシームレスに変わっていくことは間違いないだろう。

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