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ベンチャー社長懺悔告白「私はこうして野球賭博にハマった」

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 巨人・福田聡志投手の野球賭博関与問題は、社会に大きな衝撃を与えた。それでは、実際に野球賭博にハマるとどうなるのか。あるベンチャー企業社長が匿名を条件に告白する。

 * * *
 私が初めて野球賭博に手を出してしまったのは、昨年7月のことです。その入り口になったのは、当時のビジネスパートナーである40代後半の男性N氏です。私は小さな美容機器メーカーを買収しており、その経営の現場を仕切っていたのがN氏でした。

 N氏とは会社を買収する前から麻雀などをする仲だったので、彼が野球賭博に関与していることはなんとなく分かっていたが、同じ職場で働くうちに「君の分も通してあげようか?」といって誘われたのです。

 私はもともとギャンブル好きなので、とくに深く考えることもなくN氏の誘いに乗ってしまいました。あるとき、野球賭博のおカネと思われる数百万円が彼に届けられるのを見たことがあり、「当たれば大きく賭かりそうだな」と、興味を持ったのも事実です。

 N氏との野球賭博のやり取りは、すべてLINEで行ないました。たとえば、プロ野球のナイターがある日はだいたい午後2~4時の間にN氏からハンデ表が送られてきて、どのゲームにいくら賭けるかを締め切り時間の午後5時までに伝える、という具合です。野球賭博は、手持ちのおカネがなくても賭けに参加できる点が魅力なんです。

 また、野球賭博はパチンコや麻雀などのように時間を取られることがないので、仕事などで忙しい時でも参加できます。

 私の場合、勝つ時の金額は小さいのに、負ける時は大負けしてしまう傾向がありました。1週間を通じて複数の試合に1万円ずつ賭けて、予想がいくつか当たり利益が出ても、外れた試合の分が損失になるため、月曜日の精算時に入ってくるのは大した金額ではありません。

 それに対し、週の前半に1万円ずつ張った予想がぜんぶ外れてしまうと、その損失を取り戻すため、翌日は倍の金額を賭けることになります。それが続くと、週末から日曜日にかけては5万~10万円ものおカネを賭ける羽目になってしまうのです。

 こうなると、仕事も手につかなくなってきます。予告先発投手の戦績や、対戦チームとの過去のデータを調べるのに忙しくなってしまうからです。当初は「仕事をしながら賭けられるので便利だな」と思っていたのが、知らぬ間に中毒にかかってしまい、生活があべこべになってしまう。

 私は今年の7月末で野球賭博から手を引きましたが、それまでの約1年間で、80万円ほどの損失を出してしまいました。

 しかしそれは、野球賭博の中毒症状が治まったからではなく、N氏により会社のおカネを流用される事件が起きたためです。

 商品は間違いなく売れているのに、待てど暮らせど売上金の入金がなく、調べてみると、N氏が私的に売上金を流用していることが分かったのです。N氏が会社のおカネを流用したのは、野球賭博の回転資金にするためだったと見て間違いないでしょう。

 N氏は野球賭博の末端の胴元のようなことをしており、毎月曜日に私たちから回収したおカネを、どこか「上部」に当たる所へ送金していました。その時は非常にピリピリしており、私が振込先を間違えたせいでおカネが足りなくなってしまった時など、傍目にも分かるほど焦っていました。

 私はN氏が会社のおカネを流用したのは詐欺行為に当たると考え、警察に相談しています。その際、自分の罪だけを隠すようなことはすべきでないと考え、野球賭博に手を染めてしまったことを正直に話しました。それについて責任を問われるのなら、仕方のないことだと考えていますし、自分のしたことを反省し、もう二度と野球賭博には関わらないと固く誓っています。

取材・文■李策(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2015年10月30日号


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