リスクを伝えないことも…? 不動産投資で陥るワナを激白

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リスクを伝えないことも…? 不動産投資で陥るワナを激白

 「儲け話にはウラがある」というのは、全てのことに言えること。どんなものにもリスクはあります。
 それは不動産投資もそう。一歩間違えれば致命的な傷を負ってしまうワナもあるのです。
 そんなリスクを教えてくれるのが『知らないと取り返しがつかない 不動産投資で陥る55のワナ』(総合法令出版/刊)です。著者で不動産投資コンサルタントの小林大貴さんは、住友不動産の総合職出身で自身も不動産投資家として複数棟の投資物件を運営しています。
 本書の肝は、セミナー講師や不動産投資本の著者などがなかなか教えてくれないリスクの部分まで踏み込んで書かれていること。
 今回はこの“衝撃作”を執筆した小林さんにお話をうかがい、不動産投資業界の闇や情報の選択の仕方について聞きました。その前編をお届けします。
(新刊JP編集部)

■“ブラックボックス化”が進む不動産投資の業界

――小林さんはどのようなキャリアを積まれてきたのでしょうか?

小林:中央大学法学部を卒業したあと、新卒で住友不動産に入社しまして、マンションや戸建て、オフィスビルなどの主要な部門を担当しました。企画だけでなく、マンションの営業もしましたし、戸建てのリフォームの現場でチラシをまいたり、ということもありましたね。また、現場だけでなく新事業の企画なども経験しています。

――そこから独立されたんですね。

小林:そうですね、一通りの部署を経験した後、独立しました。

――独立されたきっかけはなんですか?

小林:新事業企画に在籍していた時のことです。大きな会社は大きな不動産を扱っているのですが、小さい不動産を住友ブランドで扱ったら儲かるんじゃないかと考えたのが始まりです。大手はアパートや小さなテナントに参入しない傾向があるので、ここで大手が入れば市場が取れるはず、土地を探すきっかけにもなるはず、と企画したのですが、一件ごとの利益が薄いこともあって売上目標への到達が難しいことが分かりました。
ただ、会社としては難しくても個人としてはできるだろうということで、個人でそのような不動産を買ってやってみました。そうしたら、やはりうまくまわったので、ならば独立してやってみようと。

――住友不動産に数年ということは、かなり若くして独立されたんですね。

小林:そうなりますが、自分なりに投資のゴールと戦略とポートフォリオを組み立てて、確実に儲けられるという確信があってのものです。上場企業でも社長で年収1億円くらい、執行役員で年収2000万円くらいでしょうが、不動産投資をやれば、若くして年収2000万円も達成できますから。ストレスも拘束時間も含めて独立した方が良いと判断しました。

――そこで独立されて不動産投資のコンサルタントもはじめたのですか?

小林:コンサルタントをはじめたのは、法人を立ち上げて2年目のときですね。実は住友でも働きつつ、個人でも妻を代表にして法人を立ち上げていた時期があります。そのときは建物の運営と管理だけをしていましたが、自身の物件運営経験の蓄積と、知識の体系化、実際に時間をかけずにできるノウハウを構築したので、それをお客様にも提供できると思い、2期目にコンサルティングを行うべく完全独立しました。

――本書の中で顧客を多く取らない方針だと書かれていましたが、なぜですか?

小林:私にとっては、自分で不動産を運営して利益を得ることがメインの事業です。コンサルティングは、不動産運営だけでは時間が大量に余るので、その時間で私のノウハウをお伝えして投資で失敗する人が少なくなるように、と思って始めました。そのため、信頼関係を結べて、しっかりとケアできる範囲で行う方針です。確かに人数を集めてたくさんの方をお相手することもできるのですが、きめ細やかにご対応できなくなってしまうと、本末転倒かな、と。

――今回小林さんが著した『不動産投資で陥る55のワナ』は、不動産投資に孕むリスクをえぐった一冊ですが、反響も大きいのではないですか?

小林:大きいですね。面談をご希望される方も多くなりましたし…。面談にいらっしゃる方は、ほぼ必ずリスクの描写について評価してくださいます。

――業界内からの反響はありましたか?

小林:幸運なことに、今のところはないですね。バッシングなどもありませんし、あなたと取引しませんよとも言われていないです(笑)。「よくここまで書いたね」という声は頂いています。

――なぜこのような本を書かれたのですか?

小林:書籍の出版前から、初めて不動産投資をする方だけでなく、すでに始められている方からも「こういう方法は大丈夫なんですか?」という不安の声を寄せられることが多かったんですね。それで実際にお話を聞いてみると、違法な手段で投資に手を出してしまっていたというケースもあった、と。

――「オーバーローン」をめぐる記述は非常に驚きました。

小林:他にも不良施工をする業者にあたってしまい、入居が始まってからどんどん問題が見つかるということもあります。実は、これらは業界にいる人間からすれば「あるある」なんですが、ちゃんと啓蒙しないとひどいことになってしまうなと感じました。

――それら問題は、皆いけないと思いつつやってしまっているものなのか、これでいいと思ってやっているのか、どちらなのでしょうか。

小林:業者の立場としては、「これでいい」と思ってお客様に提案しているケースが多いと思います。オーバーローンの場合は、「お客様がそうしたいと言っているからお勧めした」と言うんですね。顧客もそれを望むし、こちらも物件を売ることができるのだから、と。そこでリスクがあることを伝えない業者がいるということが問題なんです。

――リスクを伝えないこともあるんですね。

小林:そういうケースもあるようです。不動産投資業界は、そこで長く続けられている海千山千の業者さんがたくさん集まっている業界ですからね。知識を持っていない状態でそこに入り込んでいくのはかなり危険です。

(後編に続く)


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