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殺害予告で逮捕者続出!脅迫罪や業務妨害罪の判断の分かれ目

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殺害予告による逮捕者が続出

9月末、長崎県の中学3年の男子生徒が、学校の校長に対して殺害予告を行ったとして、脅迫の疑いで逮捕されました。この他にも、殺害予告による逮捕者が続出しています。このように他人に対して危害を加えることを予告することは、脅迫罪や業務妨害罪に該当します。脅迫罪は、他人に対して害悪を与えることを告知することで成立する犯罪です。害悪を与える対象は、生命や身体に限らず、財産や名誉などでも該当します。

ただし、脅迫の程度は相手が怖がる程度の脅迫が必要とされています。怖がるまでには至らず困惑する、戸惑う程度では、脅迫罪には当たらないとされています。

業務妨害罪に存在する2種類の妨害方法

一方、業務妨害罪は他人の業務を妨害することで成立する犯罪です。妨害の方法は、「偽計」と「威力」の2種類に分かれます。偽計は嘘の情報を流したりすること、威力は文字通り力ずくのような形で行うことです。法律的には「相手の意思を制圧する程度」といわれます。

威力業務妨害は、相手に対して直接威力を示す形で成立しますが、偽計業務妨害の場合は少し異なる場合があります。例えば、ある特定の人物へ襲撃予告などをした場合、その人物に対してではなく、襲撃への対策をとらなければならなくなった施設や警察に対して偽計業務妨害罪が成立することがあります。脅迫罪は最高刑が懲役2年、業務妨害罪は最高刑が懲役3年です。

どんな内容の予告が犯罪と見なされるか

どのような内容の予告であれば犯罪になるか、あるいは犯罪とならないか。これは、非常に難しいところです。過去に問題になったものとしては、「呪う」という言葉があります。言われれば何となく怖い気持ちになりますが、果たして害悪を与えることの告知といえるのでしょうか。この言葉に関連して逮捕された人がいるという情報もあるため、罪に問われることはないと安易には考えられません。

他方で、非常に簡単に犯罪であるとわかるものもあります。例えば、殺害予告です。これは、生命に対する害悪を与えることの告知ですから、受け取った相手が確実に恐怖を感じるので、脅迫罪に該当することは間違いありません。

正当な意見表明や反論としての議論が望まれる

また、そのような予告を受け取れば、対策を取ろうとするのは自然な流れですから、その対策のために対応が必要になれば、仮に冗談のつもりでの予告だったとしても、業務妨害罪が成立してしまう可能性も高まります。

日本では、日本国憲法で表現の自由が保障されているため、正しい意見表明や議論としての反論などは、遠慮なく行われるのが望ましいといえます。しかし、いくら自分と見解が相違している人であっても、その人に対する個人攻撃は、意見表明や議論とはいえません。だからこそ、そのような行為は法的には保護されておらず、犯罪として処罰されることになっているのです。

インターネット上の匿名の掲示板などでも、最近、相手に対する誹謗中傷が頻繁に見られます。これも正当な議論や意見表明ではなく、単なる個人攻撃です。犯罪にまでは至らないとしても、こうした誹謗中傷も、危害を加える予告と同じく法的な保護に値するものとは思えません。相手がどんなに理不尽に思えたとしても、相手自身を攻撃しよう、相手にダメージを与えてやろうなどと思わず、正当な意見表明や反論として議論をしていただきたいと思います。

(川島 英雄/弁護士)

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