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野球賭博 主力選手は警戒心が強いが準レギュラー陣は隙多い

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 巨人・福田聡志投手の野球賭博関与問題。現役のプロ野球選手が野球賭博に手を染め、しかも自軍の試合を賭けの対象にしていたという事実は、社会に大きな衝撃を与えた。

 野球賭博は野球の試合で「どちらが勝つか」を賭ける博打である。そのため、そのままでは当然戦力が上位のチームに賭けが集中してしまい、胴元は大損を被る可能性が高い。そこで「ハンデ」(※注)という制度が用いられている。

【※注/例えばA対Bの対戦で、AからBに「1.2」のハンデが出ると、Aが3点差で勝てばAに賭けた客は丸勝ちになるが、2点差での勝利なら「2-1.2=0.8」となり、儲けは80%に減額される。さらにAが1点差で勝ったとしても「1-1.2」で、マイナス0.2、つまり20%の負け。引き分け以下なら賭け金の全額を取られることになる】

 ハンデはそれぞれの胴元が抱える「ハンデ師」という人物がつける。

「野球賭博の世界では胴元が勢力に応じてピラミッドを構成している。暴力団が胴元であるトップ組織のハンデ師から叩き台のハンデが出て、それに末端が独自の情報を加味して最終的なハンデを設定するケースが大半」(暴力団関係者)

 客が毎試合、均等に張るように設定しなくてはならないため、かなりの専門的な知識と情報が必要となる。

「戦力比較や相性はもちろん、先発投手の調子を判断するうえでは選手のプライベートの情報も重要だ。『家庭内不和で悩んでいて野球に身が入っていない』とか、『次の遠征先には付き合い始めたばかりの“現地妻”がいるから寝不足だ』とか、成績に影響して、かつ内部の人間しか知り得ない情報は、ハンデを決めるうえで極めて重要なファクターとなる」(同前)

 もちろんそうした情報は、実際にグラウンドにいる野球関係者から仕入れたがる。賭けるために選手やコーチを抱き込もうと躍起になり、いつも接触の機会を窺っているのだという。

「主力選手は警戒心が強いが、準レギュラークラスの選手にはスキが多い。それに末端の胴元はカタギであることも珍しくない。知人だからと断わりきれずに始めて、気がつかないうちに取り込まれていることは非常に多い。

 ちなみに末端の胴元は“枝”と呼ばれるが、これは万が一摘発された時などにポキッと折ってトカゲの尻尾切りをして、トップ組織まで影響が及ばないようになっているから。実は枝自身もトップの胴元の顔を知らないケースが多く、なかなか“本丸”まではたどり着けないようになっている。福田投手を処罰したからOK、ということではないと思うよ」(同前)

 46年前に発覚した「黒い霧事件」では、現役選手が野球賭博にかかる八百長行為に関与したことが発覚。結果的に約20人もの選手が処分を受け、うち6人が球界を永久追放となった。まさか、その地下茎が延々と生き延びて、今回の事件につながっているのではないか。野球界は徹底的に調査し、野球賭博との関係を今度こそ断ち切らねばならない。

 だが、巨人は徹底解明どころか、他の選手の関与については「聴取」をするだけにとどまっている。

「野球賭博は『やりました』と認めた時点で最悪、無期の失格処分になる。質問されても絶対に認めるはずがない。警察に介入してもらって徹底的に調査しなければ、全容の解明は不可能です」(スポーツ紙記者)

 野球評論家の江本孟紀氏も苦言を呈する。

「プロ野球は再び社会から厳しい目を向けられ、イメージと信頼は失墜した。この問題から背を向けることなく、NPB(日本野球機構)を中心に、巨人をはじめ各球団は徹底的な調査をすべきだ。ファンの信頼を取り戻すためにも、うやむやで終わらせてはダメです」

 巨人が「球界の盟主」を自任するのなら、今こそ自ら膿を出し切る覚悟が必要なはずだ。

※週刊ポスト2015年10月30日号


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