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永井豪先生“ぶっちゃけ”1万字インタビュー 『サイボーグ009 vs デビルマン』上映記念

― 読者が期待するところよりも、自分が決めたことを通すという意味では、永井先生も共通しているように思えます。

永井豪: そういうの、人がやらないことをやる、っていうのは僕も好きなんで、……大好きだったですね。

20150902 『サイボーグ009 vs デビルマン』B1本ポスター 最終_s

師匠とのコラボについて

― 今回『009』は石ノ森先生の代表作と言っていいですよね。永井先生の代表作のひとつである『デビルマン』。師匠と言っても差し支えない石ノ森先生との作品コラボについて、改めて思うことなどありますか

永井豪: そうですね……とにかく、(アシスタント)当時は大変な思いしたんですけれども、あそこでの体験が無かったら今の自分は無いと思います。手取り足取り教えてくれるような人ではなくて「勝手に描け」みたいな(笑)。

背景なんかもほとんど自分で考えないとダメなんですね。自分も趣味が高じて漫画家になったんですけど、そういうのは通用しないとまずわかって、もうとにかくとんでもなく厳しい世界だっていうのは石ノ森先生観ているだけでわかったし。「あれだけ才能のある人が死に物狂いでやってるなあ」というのを肌で感じて、その生きざまみたいなのをすごく見習ったというか。

あの先生のところに行かなければ、ここまで頑張れなかったんじゃないかな、という、思いが改めてあります。
『サイボーグ』手伝ってた時ってのは本当に大変な時期だったし、『ヨミ編』って『少年マガジン』でやったやつを手伝ってたんですけど、そのほかの作品もたくさんやってる時期だったんで、本当に……やたらツラい思い出がふつふつと出てくるんですけれども。

― 石ノ森先生のすごいところを伺うと「とにかく筆が速い」と方々で耳にしました。

永井豪: 本当に早いんです。自分の描くところをバアアアッと一気に描いて、さーっと出て行っちゃう。スタッフはみんな編集にいじめられながら、寝かしてもらえない。トイレでさえ「お前トイレ行くのか?」位の顔される。休むところも無いから仕方ないから、ちょっとトイレで少し目をつぶったり、壁にもたれかかって(笑)。そのくらいしか本当休む時間なかった。

― そんな生活が2年間も続いたと。

永井豪: ええ、そうですね。

― 永井先生が漫画家になられたきっかけというのは、確か、腸を患って死んでしまうかもしれない!って思われて、何かを残そうとしたのが元だとうかがいました。

永井豪: はいはいはい。そうですね! そういう覚悟があったんで、石森先生のところが耐えられたんだと思ってます(笑)。とにかくなにがなんでも漫画家になって、自分のモノを残したい、と言う願望が強かったです。他の事は何も考えていなかった。いろんな夢とかね、こうしたいとかああしたいとか、欲望が全てすっ飛んじゃいますね、生きるか死ぬかになると。「金儲けたい」とか、「有名になりたい」とか、関係ない。全くそんなものどうでもいいということが良くわかりますね。なんかそういう「生きていた証を残したい」というそれだけですね。

― その予備校に通われてた頃は、何かになりたい、という強い思いはそんなに無かったんですか?

永井豪: いや、漫画家になりたいと思ってたけど、どういうきっかけでなれるのかなあ、と考えてましたよ。でも、みんな大学行くし、家の人も行けというし(笑)。とりあえず、勉強嫌いだけどしょうがないけど予備校でも行くかって(笑)。

大学行って卒業したら、なんとか漫画家への道を、それまでに作れればいいなあ、ぐらいの漠然とした思いはあったんですけれども、そんな悠長なこと言ってらんない、って。明日事故で死ぬかもしれない、って切羽詰った気になったんで「やるしかない!」ってそこから思って、やってみたら、道は険しいということはよくわかるし、実力が伴ってないということも良くわかるし、大変でした。

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

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