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永井豪先生“ぶっちゃけ”1万字インタビュー 『サイボーグ009 vs デビルマン』上映記念

シレーヌとデビルマンが……×××

― 過去のアニメ作品に関しても、永井先生は全く口を出されなかったんですか?たとえば、『マジンガー』シリーズにしても、『デビルマン』にしても。

永井豪: 一応、設定の段階では「こうしてほしい」という希望は言うんですけど、スタートしたら極力言わないようにしていました。『マジンガー』なんかでも「重みが出るように」とか「大きさが感じられるようにしてください」とか、細かい注文含めていろんなこと言ってましたけど。スタートしちゃったらあまり言わない。むしろ向こうの方から注文が来るので、それに沿って色々作ったりとかしていました。

「こういう話をシナリオライターが書いたんで、それに合うようなキャラを作ってください」とかね。そういうのが来るんですよ。結構あります。だから、敵のキャラを次から次へと作っていました。

(アニメの)『デビルマン』の時もシレーヌなんかは辻さん(辻真先さん)が「女のデーモンのシナリオ書いちゃったんですけど」って言ってきたんだけど、その時点で女のデーモンって(僕は)作ってなかったんだよね。じゃあ、こんなのでどうですか、っていうことで作ったんですよね。最初に背中に翼付けてて当たり前だな、って思って、(翼を)頭持ってきたらこれは面白い、って(笑)。 自分でも気に入っちゃってね。スカートとかつけるのは違うなと思ったんですが仕方なく描きました。本当はもっとエロっぽい格好で(笑)。

― 漫画版ではシレーヌとデビルマンでヤラせちゃおう、なんて話もあったとか聞きました

永井豪: ああ、それは、頭の中で思ってたことで(笑)。実際はそんなことやったら大変です(笑)。さすがに編集部でも無理なのはわかってましたから、そこまではやろうとは思ってなかったけど、頭の中では「やってみたいなあ」、「描きたいなあ」と、本当は思ってました(笑)。

美樹ちゃんのお母さんが“真っ二つ”で編集部激怒

― 当時の編集部では、やはり作品の表現をめぐって議論なども起こってたのでしょうか。

永井豪: 多分、大変だったと思いますよ。何度も、これは(表現を)押さえてくれとか、その都度、突っ張ってはやって、どうしてもダメだったら、何回か電話が来て。
(現在連載中の)『激マン!』では描きましたけど、美樹ちゃんのお母さんが真っ二つになってるシーンとか(笑)。
僕が「真っ二つになってる方が、どんだけひどい目に遭ってるかわかるじゃないですか!」って言ったら「真っ二つじゃなくてもわかります!」って(笑)。

― 今回のアニメ『サイボーグ009 vs デビルマン』について「俺が関わってたらもっとこうしてやったのにな」みたいな部分はありますか?

永井豪: いやあ、内容は特に何も問題は無いですね。あえて言うなら、キャラ的に、飛鳥了がちょっと芯に秘めたものを持っているようなキャラなので、そこら辺をすくってもらえたら。

― 色気でしょうか。

永井豪: そう。本当は両性具有なんだよ、みたいなね。そういう中性的なのをもう少し出ていればより良かった。どちらかというと男っぽさのほうが勝っているな、と。でも、ストーリー的なモノは全く問題なくていいですね。

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描き手目線で見ていた『サイボーグ009』「自分だったらもっと……」

― 『サイボーグ009』、石ノ森先生の代表作でありながらも残念ながら未完となっております。いかがでしょう、ご覧になられて『サイボーグ009』という作品に対する感想などありましたら。

永井豪: 原作はとにかく、好きだったんです。当時サイボーグってイメージがSFに出てきたときにね、怪物的なイメージのモノばかりだったんですね。フランケンシュタインに近いような、カラダの一部が機械になった化け物みたいなイメージで、SF小説の中に出てくるんで。

それがね、180度違って、美少年、美少女が出てきて。しかも、正義のために戦うという、そういう全然サイボーグのイメージを一新してくれてた。それでまずビックリして、たちまち夢中になりましたね。実際自分で(アシスタントとして)手伝ってみて、「自分だったらもっとこうするな」とか思いつつ、内心ね(笑)。「えー、こんな風にまとめちゃうの?もったいないなあ」とかね。そんなこと思いつつ、手伝ってましたけど。それはファンで見ていた時と違う、いつの間にか自分が描き手の目線に立っているからだったと思うんですけれどもね。

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

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