幕末、もうひとつの交代劇…。古写真と浮世絵の特別展「浮世絵から写真へ – 視覚の文明開化」開催中
幕末から明治の浮世絵を眺めてみると、写真への並々ならぬ関心がにじみ出しています。逆に、当時の写真には浮世絵にインスパイアされたと思われる様子が見られ、互いに意識し合い、絡み合いながらさまざまな面白い作品を生み出されていました。
内田九一「小川泰堂居士夫妻肖像」
江戸東京博物館で開催中の特別展「浮世絵から写真へー視覚の文明開化ー」は、幕末から明治にかけて互いに影響を与えあい、生み出された不可思議な作品や接点について注目した展覧会となっています。
「和装西洋男女図」絹本彩色 海外土産として量産されたものだそう。顔は写真を使用してリアルに仕上げられています。
本展では、浮世絵・錦絵と写真とが織りなした多彩な表現を紹介し、日本文化の近代化の一面を明らかにしていきます。当時の最先端技術である写真と、超絶技巧が確立していた浮世絵の意外な共通点が見えてきます。
当時は白黒写真だけだったはずなのに、なぜカラー写真が?の秘密も解明。当時の日本人が関心を寄せた油絵などの舶来のテクニックをとりいれた作品、泥絵、ガラス絵、写真油絵などの不思議な作品たちも並びます。
「富士山風景図」 写真貼付ガラス絵 絵の中に写真が貼り込まれています。
気軽にスマホやデジカメで写真を撮影できる今だからこそ、写真が特別だった時代の作品を振り返ってみてはいかがでしょうか。
特別展「浮世絵から写真へー視覚の文明開化ー」
会期:2015年10月10日(土)~12月6日(日)
会場:江戸東京博物館 1階特別展示室
開館時間: 午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
休館日:月曜日休館(月曜日が祝日または振替休日の場合は翌日)
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