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あさが来た 女の一代記、頑固親父、決め台詞…好調理由を解説

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 モデルで女優の波瑠(24才)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『あさが来た』。第1週の平均視聴率は20.3%、第2週は20.2%と好調だ。それだけ視聴者の支持を集めるのにはちゃんと理由があるようだ。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 そんなわけで、「朝ドラ史上初のチョンマゲ」として話題の『あさが来た』。幕末、京都で一番の両替商のおてんば娘あさ(波瑠)が、大阪の同業者「加野屋」のぼんぼん新次郎(玉木宏)のもとに嫁ぎ、維新後はさまざまな事業を起こして実業家となり、日本初の女子大創立にも貢献するという物語。

 スタート二週目にして、新次郎のもとに嫁入りしたはいいが、肝心の花婿は婚礼の日を忘れて大遅刻。夜、新次郎に抱きしめられたあさは、得意の相撲技で夫を投げ飛ばしてしまう。毎回、誰かが怒鳴るか、泣くか、ひっくり返っている。驚くべき朝ドラである。

 初回視聴率は20%を超える好発進。時代劇好きの私は、そこにチョンマゲがあるだけで、なぜかうれしいのだが、このドラマを観ていて感じるのは「絶対にヒット要素ははずさない」制作側のテッパン志向である。

 朝ドラヒットの大きな要素ともいえる「波瀾万丈の女の一代記もの」(過去の例では『花子とアン』や『おしん』などがある)であること。ヒロインの子供時代を演じる子役が実力派であること(あさの子役時代を演じたのは、大河ドラマ『八重の桜』で綾瀬はるかの子供時代を演じ、CMでは『おとくちゃん』でもおなじみの鈴木梨央)、相手役が「みんな知っての通りのアホぼんだす」ととぼけた男前役がうまい玉木宏であること、朝ドラ名物ともいえる頑固おやじがいること(あさの父親役の升毅は始終『こら、あさ!!』と雷を落としていた。かつて朝ドラでは中条静夫、小林稔侍らが頑固おやじ役で人気を博した)、ヒロインあさに「びっくりポン!」という決めセリフがあること(『あまちゃん』のじぇじぇじぇ!はみなさんご存知)などなど、過去の朝ドラを研究した成果ともいえるべきテッパン要素が本当に多い。

 加えて、あさに大事なアドバイスをする元薩摩藩士の五代才助役に五か国語をあやつる注目の俳優ディーン・フジオカを起用。さらに「加野屋」に借金をしにきた新選組の土方歳三が誰かと思えば、山本耕史! 2004年の大河ドラマ『新選組!』で土方を演じた山本をそっくりそのままの役で登場させ、「待たせたな」と言わせる。話題作りにも余念がない。

 これだけテッパンなドラマだと、視聴者はハラハラも突っ込みもせず、安心して身をゆだねて見ていればいいのだが、不思議なものでどこかに「自分だけのお楽しみキャラ」を見つけたくなるもの。私のお薦めは、あさの祖父今井忠政役の林与一だ。豪商のご隠居として悠悠自適の日々を送る忠政は、あさと大の仲良し。あさが布団からこっそり抜け出すと「忍法変わり身の術か。やりおるなー」と感心し、女は親の決めた結婚をするのが当たり前という風潮に「なんで?」と疑問を持つ孫娘に「あさは偉い。なんでやと思う人間が世の中を変えていく」と優しく語るのだ。あさの嫁入りがさびしくて、ぴーぴー泣き出すおじいちゃん。人間味もたっぷりだ。

 先日、六十年近い芸歴にして初めての生放送ゲストだと『スタジオパークからこんにちは』に出演。撮影現場では、波瑠の手をとり、指先の冷え性のツボを教えたりしたという。その話を聞いて、私はさすが!と膝を打った。昔からモテ男というのは、下心のありなしを問わず、美人の手をとるもの。私はご本人から、若いころには、どんなに仕事で忙しくてもデート、デートの日々だったと聞いたことがある。とにかく男の色気がある人なのだ。

 歌舞伎の家柄に生まれ、「スクリーンに映るだけで館内にどよめきが起こった」と言われる天下の二枚目長谷川一夫の薫陶を受けた正統派モテ男。そのふんわりと優しい色気をテッパン朝ドラで堪能するのも楽しい。


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