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氷河期世代が直面する「中年フリーター」の現実 「人手不足の会社はいっぱいある」と言うけれど

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週刊東洋経済(2015年10月17日号)の特集「絶望の非正規」がネットで話題を呼んでいる。記事では35~54歳の非正規雇用(女性は既婚者を除く)を「中年フリーター」と呼び、その数が273万人にのぼると紹介した。

最も問題視されているのは、彼らの賃金の低さだ。平均月収は20万円前後と見られ、40代の正社員と比べると15万円以上の差が生じている。貯蓄額も少なく、病気などで働けなくなると生活保護に頼る可能性が高いことが指摘されている。
上の世代は「国のせいにしてはいけない」と叱咤

この記事の一部はネットにも配信された。「俺もまさに中年フリーター。先が心配ではあるが、日々食べて行くのに精一杯」といった反応も見られ、当事者たちの目にもとまっているようだ。他の読者からも、事態の深刻さを憂慮したコメントが寄せられた。

「まったく他人事ではなくて戦慄した」
「そりゃ氷河期世代見捨てたんだからこれから大問題になるぞ」

日本企業の新卒一括採用は、専門性を持たない若者をゼロから育成し、年功序列で管理することには向いている。しかし、一度乗り遅れると途中乗車がしにくいシステムだ。さらに採用の難易度は、卒業時の景気によって大きく左右されるのも特徴だ。

しかしネットには、そのような状況のせいにしていても何も変わらないとして、正規雇用の職に就けなかったのはその人自身に問題があるという「自己責任論」を唱える人も少なからずいる。チャンスは自分で掴み取るべきだというのだ。

「国のせいにしてはいけない。経歴を見ていると、やはり自業自得という感じがします」
「二言目には国のせい、企業のせいにしているコメントが目立つけど、そういう思考停止な奴がこんな状況に陥るんだよ」

現状では「人手不足の会社なんていっぱいある」として、「なんでも社会や企業のせいにしちゃいけない。例え能力がなくても、失敗したら反省し愚痴を言わず、一生懸命やっている人は切られにくい」と檄を飛ばす人もいた。
「ワーキングプア」も「ロストジェネレーション」も実は同じ世代

とはいえ、すべて自己責任というのも酷というものだ。厚生労働省が2006年に出した「労働経済の分析」では、フリーターを正社員として雇用する際に「30歳未満」と年齢制限を設けている企業は47.7%にのぼる。無職や非正規雇用のまま30代を迎えると、いざ人手不足の時代が来てもスキルが追いつかないのだ。

もともとこの世代は、過去にも様々な呼び方で問題を指摘されてきた。2000年に労働省が「労働経済の分析」で初めてフリーターの問題に触れたとき、注目されたのは20~24歳のフリーターの増加だった。彼らは現在38~42歳ということになる。

「ワーキングプア」が取りざたされた際も、中心は氷河期世代。2007年には彼らを表す言葉として「ロストジェネレーション」が登場した。問題は認識されながら、解決に着手されないまま時が過ぎてしまった感は否めない。
「非正規20万って勝ち組じゃない?」と開き直りも

その一方で、東洋経済の「絶望の非正規」というタイトルに反発し、「非正規を絶望と考えること自体が絶望的だ」と批判する人もいた。「非正規社員だったら役職とかもないから月収20万って勝ち組な方なのでは?」と開き直る人もいた。

「俺もいい年の非正規だけど、若い社員より稼いでる。確かに将来に不安はあるけど、もはや傭兵みたいでかっこいいと思ってやってるよ」

名前ばかり正社員でも、時給換算では最低賃金未満しか支払われないようなブラック企業でサービス残業漬けになるよりも、時給できっちり支払われる非正規の方がいいという意見もあがっていた。

あわせてよみたい:「中年フリーター」がツイッタートレンド入り
 

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