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競馬法違反

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 「匕首を呑んでいる」という言葉があるように、「呑む」というのは、懐に入れるという意味がある。そして、「懐に入れる」がさらに「着服する」というように転用されて「呑み行為」との言葉となった。
 ほとんどの人が、「呑み行為」は私設馬券での語源だと思っているが、元々は証券売買において証券会社が注文者から受領した金銭を取引所に取り次がないで、自分で売買をして注文者には正規に取引をしたと思わせることからできた言葉である。

 さて、中年の女性から法律相談を受けた。内容を聞くと、昔から地元のノミ屋を利用して馬券を購入していたと言う。話の途中であったが、「馬券は購入していないでしょう」と聞くと、「そうです」と素直な返事が戻ってきた。

 彼女が利用していたノミ屋が摘発され、彼女も任意とはいえ警察と検察から取調べを受けたとのことである。ノミ屋は競馬法30条で、その客も競馬法33条で処罰される。客の場合には100万円以下の罰金である。

 捜査機関からの取調べに対して、彼女は、昔からの知人で馬券を購入してくれていたと思っていたと否認をしているとのこと。先程と話しが違うが仕方ない。
 しかし、警察や検察官からは、ノミ屋から押さえた客の台帳には外れの場合の割戻金も記載してあるらしく、それを追及されているらしい。
 ノミ屋は客に対するサービスとして、外れの場合にも割戻金を支払ってくれるのである。彼女が主張するように、真実な馬券を購入してもらっているだけであれば、手間賃を彼女が支払うことはあっても、彼女が外れ馬券で割戻金を受領する筋合いはない。

 検察官からは、幾度も呼び出しを受けているが、今さら否認を取り消すことはできないし、どうしたらよいのか、また今後どうなるのかという相談である。
 内心では、このままの状態でも、逮捕される可能性はかなり低く、さらには正式起訴される可能性も低いと思っていた。検察官も忙しいから、競馬法違反に関わっていられないからである。しかし、そのことを彼女にそのまま伝えるわけにはいかない。

 私は、自身の内心の思いを秘めたまま、台帳が押さえられ割戻金のことも把握されている以上、すぐに担当検察官に連絡をとって、素直にすべてを供述するように勧告した。
 さらにその後どうなるかを聞いてくるので、推測と断った上で、逮捕はないこと、同意をした上での罰金で終了させる略式起訴となるであろうこと、罰金額は、あまり自信はないが、50万円もいかないのではないことを伝えた。

 さらに、否認していたことを何と説明したらよいかを問われたので、驚いてしまって大変なことになると思い、嘘をついてしまったと言うことをアドバイスした。
 その後、彼女は検察官に連絡をとり、無事に略式起訴となった。罰金についても即日納付したようである。罰金額は、私が思ったよりも少なく20万円だったそうだ。

 御礼に訪れた彼女は、5万円の報酬を包んでくれた。私のおかげで罰金が20万円ですんだということであった。しかし、罰金が20万円ですんだのは、何も私が弁護活動をしたわけではない。それでも、相談料として、ありがたく5万円を受領した。

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