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明治維新生まれ!日本教育の象徴「集団指導」からの脱却

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日本の教育は明治維新後の「集団指導」が基本

日本の教育水準について国内では学力低下が叫ばれていますが、世界的には高い順位を維持しています。そんな中、日本の学校教育を輸出し、他国の教育水準向上に貢献しようとの計画があるようです。

日本の教育は明治維新後、政府が西洋の知識技術に追いつき追い越すため、効率よく国民の学力を上げる、つまり決められた知識技術を子どもに教え込むことを目標に作られました。その根幹にあるのが、同等の学力を持つ子どもを集めて「学級」を作り、同じ教育内容を教えるという「集団指導」です。集団指導は、この目標を前提とすれば最も理にかなった方法です。

経費節約のためだった「掃除当番」や「給食当番」

日本は、この「学級」をすべての学校活動の基本単位としました。朝登校してから夕方下校するまで、いつも同じ学級という集団単位で行動する。この学級という集団を効率よく動かすために、子どもによる係活動が考えられました。当初は経費節約のために作られた掃除当番や給食当番(給食が一般化したのは戦後ですが)でしたが、その活動に集団への帰属意識を養う目的が付与されました。

今の学校も学級による集団指導が基本です。一部習熟度別学級や選択科目が義務教育にも取り入れられていますが、それらはごく一部で、朝から夕方まで同じ顔を見て過ごすことには変わりありません。ですので、学級運営は「学級のまとまり」がメインテーマになります。学生時代、運動会や文化祭、合唱コンクールなどのイベントで盛り上がった経験がある人も多いでしょう。それらも、目的は「学級のまとまり」です。

学校生活の基礎単位であった学級の運営方法は大きく変わる

現在、学校教育では今までの学習指導要領に決められた全国画一的な学力観に基づく教育から、PISA型学力に象徴される子ども自身の自発的な「学び」を基本とする教育に転換すべきであるといわれています。明治維新から続いてきた決められた知識技術を教え込む教育から、自ら学ぶことを決め、学び方を模索する子どもを育成する教育への転換です。話題のアクティブ・ラーニングは、子どものそうした自発的な「学び」活動を重視する教育方法です。

そのためには、集団指導ではなく個別指導にシフトしていかなければなりません。もし、子どもの自発的な「学び」を重視する教育が広がって個別指導へシフトしていくことになれば、学校生活の基礎単位であった学級の運営方法は大きく様変わりするでしょう。あるいは、学級という単位すらなくなってしまうかもしれません。

国内だけではなく、諸外国も巻き込んでの新しい教育

もちろん、従来の教育が全てダメということではありません。今までのやり方を全部つぶしてしまう必要もありません。そもそも、そんな乱暴な方法で最も不利益を被るのは子どもたちです。子どもに不利益なことをするのは、教育ではありません。

これから、日本の教育は大きく変わります。今までの実績を踏まえつつ新しい教育を作る。日本国内だけではなく、諸外国も巻き込んで新しい教育を作っていく。そのために、日本従来の教育を輸出して諸外国と共に新しい教育を作り、その実績を逆輸入し、また新しい教育を日本で作っていく。このプランを端緒に、グローバルな教育実践交流を作っていってほしいと思います。

(船越 克真/教育カウンセラー)

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