ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

マイケル・ムーア、映画『Where to Invade Next(原題)』を新設の配給レーベルで公開へ

DATE:
  • ガジェット通信を≫

マイケル・ムーアは、自身のドキュメンタリー映画『Where to Invade Next(原題)』に新しい配給レーベルを選んだ。作品は3週間前にトロント映画祭で初公開された。

フォーマー・ラディウスの創設者であり共同代表者のトム・クインとジェイソン・ジャネゴが、アラモ・ドラフトハウスの創設者CEOのティム・リーグと協力し、まだ名称未定の新しい配給レーベルを立ち上げる。

クイン、ジャネゴ、そしてリーグは、「マイケル・ムーアと彼のたぐいまれな新作によって、国民は笑いという、決して奪うことのできない権利を持っていることを思い出して欲しい。特に選挙の年にはね」、「僕たちは新しいレーベルにワクワクしているし、これ以上にレーベルの立ち上げにふさわしい映画や製作者はいない」と口を揃えた。

新しい配給会社の名前と詳細は後日発表される。

『Where to Invade Next(原題)』は、今年のトロント国際映画祭で注目作の一つになるはずだった。しかし予想されたよりも売り込みに時間がかかり、契約が成立したのは映画祭が終了してから2週間後だった。

この映画は上映前から買い手たちの興味を引き始めていた。しかし、Netflix(ネットフリックス)がこのプロジェクトの全世界での権利を獲得しようと関心を寄せているという複数の噂が広まり始め、この交渉に関与することを断念した入札者もいた可能性がある。ネットフリックスはこの映画に一切応札していなかった。

映画初公開の場で明かされたムーアの主張によって、真剣に競争に参加することをためらった配給会社もあったかもしれない。複数の情報筋によれば、一時は映画セールスエージェントのWME(ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント)が、HBOのようなプレミアム・ケーブル・ネットワークと映画配給会社を組み合わせる可能性を検討していたようだ。

『Where to Invade Next(原題)』は映画祭まで未知の作品だった。ムーアと彼のチームは映画祭前に試写を実施せず、その秘密主義が興味を際立たせた。ムーアは、ノンフィクション映画作家の中で、ほぼ独壇場と言えるほどの名声を得ている。彼は2002年の映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』で第75回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した。ブッシュ政権を批判した2004年の映画『華氏911』では興行収入1億1920万ドルを叩き出し、ドキュメンタリー作品としての史上最高記録になっている。

この買収は、8月にザ・ワインスタイン・カンパニーのレーベルのひとつであるラディウスを去ったクインとジャネゴの戦略であることは明白だ。ドキュメンタリー作品はラディウスとマグノリアで働いていた当時も2人の強みであった。彼らは2013年の映画『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』で第86回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞し、米政府による情報収集活動に関わったエドワード・スノーデンのドキュメンタリー映画『Citizenfour(原題)』では第87回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞した。また2005年の映画『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』や2008年の映画『マン・オン・ワイヤー』のような高評価のノンフィクション映画も手掛けた。

ムーアは声明の中で、クインとジャネゴ、アラモのタッグを「ドリームチームだ」ともてはやした。

ムーアは、「彼らが新世紀に新しい何かを築きたいことは明らかだ。彼らは協力的な環境の中で最善を尽くせる制作会社と共に、伝統的なスタジオ体系に縛られることなく、映画制作の方法を考え直す時だと確信しているよ」と語った。

この契約は北米の権利のため、ムーアはまだ北米以外の地域に向けて別の配給会社を探すことができる。

『Where to Invade Next(原題)』は、女性指導者の恩恵から刑務所改革までの話題を網羅し、理想としては2016年の大統領選にタイミングを合わせているようだ。このドキュメンタリー映画はヨーロッパ諸国が取り組む健康管理、銃規制、教育への取り組みなどの問題について、米国が対処するために選択した方法を比較している。多くのスタジオ幹部たちは、この作品はアメリカの医療保険問題に鋭いメスを入れた映画『シッコ』、経済問題を描いた映画『キャピタリズム マネーは踊る』など、これまでムーアが手掛けてきた作品よりもさらに心を踊らせると話し、新作は1989年の映画『ロジャー&ミー』以来最も大衆を喜ばせる作品であると語っている。

『Where to Invade Next(原題)』は12月に劇場公開される。アカデミー賞を狙ったタイミングだ。

米国でのプレミアは、リンカーン・センター映画協会が主催するニューヨーク映画祭にて金曜の夜に上映される。ムーアは本作品をドキュメンタリー作家のカール・ディールとティア・レッシンと共にプロデュースした。

この記事は、ラミン・セトゥーデの寄稿による。

カテゴリー : エンタメ タグ :
Variety Japanの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP