“おにぎらず”の真逆の存在? “にぎりイッチ”を作ってみた
早い話が、握ったサンドイッチ
ここ最近、“おにぎらず”の台頭が目ざましい。
昨年の暮れごろからネットニュースなどで見かけるようになったかと思いきや、つい先日行った書店では、関連の料理本が多数並んでいたし、ここ「メシ通」でもいくつか記事が公開されている。
握らないおにぎりだから、おにぎらず。
そのキャッチーなネーミングと、簡単に作れること、具がたっぷり入れられて彩りを楽しめるところなどが支持されたようだ。
弁当派の人なら、試した人も多いのではないだろうか。
しかし、“握る”というのも立派な調理法。
おにぎりが握られなくなるのは、ちょっと寂しい気もする。
ならば、おにぎりと人気を二分する、サンドイッチを握ってやろうじゃないか。
キャッチーな命名にしたいのだが、“サンドにぎり”だとサンドなのか握りなのか不明だし、“サンドせず”だとパンが開いたままっぽいし。
“にぎりイッチ”で、どうでしょうか。
“にぎりイッチ”ができるまで
「おにぎりが握られないなら、サンドイッチを握る」という企画を勢いで考えて、ネタ出ししたら通ってしまった。
しかし「サンドイッチを握る」ってなんだ?
自分で考えたネタなのに、どうしたら正解なのかわからない。
思い悩んだ末、ひとつの答えに行き着く。
サンドイッチの端が閉じていたらいいんじゃないか?
食べるときに具材がこぼれることもなくて食べやすいし!!(テンション高め)
と、よくよく考えてみたら、それってランチパックじゃん。
ランチパックすげえ。
構想を練ること2週間、いまいち良い案が浮かばないので、とりあえずスーパーに買い出しに行った。
そのとき見つけたのが、“モッツァレラ キャンディ チーズ”。
ボール状になっているモッツァレラチーズだ。
これを見たとき、「おにぎりみたいに丸っぽい具材が中心に入っている」、
「でもサンドイッチみたいな具にする」というルールをなんとなく見出した。
思いつくままに買い物を済ませ、帰ってさっそく取り掛かった。
BLTにぎりイッチ
最初に、定番のBLTサンドを握ってみようと思う。
「BLTサンドを握る」って……、日本語を間違えているみたいだが、今回はこれで正しいのだ。
さて。
普通のBLTサンドは、ベーコン、レタス、トマトだが、トマトの代わりにミニトマトを使用することにした。
トマトを切ったものだと、握ったときに汁が出てきそうだし。
サンドイッチ用のパンで具材をくるむので、複数の具材を入れたときに、層になるようにしたい。
何度か試してみたが、ラップに巻くのがとてもやりやすかった。
写真と一緒に手順を説明する。
大きめのラップを敷いた上にパンを置き、マヨネーズを塗って、ベーコン、レタス、ミニトマトを順に乗せる
対極線上の角同士を合わせるようにしてたたむ
ラップをひねり上げる
完成
断面はこんな感じ。(トマトが片方に寄ってしまった……)
食べてみると、味はまごうことなきBLTサンドだ。
違いはというと、サンドは薄いので口を横に開けるが、こっちは丸いので口を縦に開けることくらいだ。
……って、ものすごく当たり前のことを言ってしまった。
それくらい、味に遜色ないということだ。
タマゴにぎりイッチ
次は、これまた定番のタマゴサンドを作りたい。
サンドイッチを食べるなら、一個はつまみたいタマゴサンド。
ゆで卵を刻んで、マヨネーズとマスタードで和えただけの簡単な味付けにした。
パンの真ん中にこんもり盛って……
ラップでひねって、完成
パンの四つ角を合わせる部分はパンが重なり合うので、パンっ気が多く感じなくもないが……神経質な人でなければ、さほど気にならないと思う。
ラップに包んでひねるときに力を入れすぎると、パンが固くなってしまうので注意されたし。
カプレーゼ風にぎりイッチ
次は、変わり種に挑戦したい。
“にぎりイッチ”の着想を得るきっかけとなったモッツァレラ キャンディ チーズと、せっかくミニトマトもあるのでカプレーゼ風のにぎりイッチを作ってみようと思う。 ミニトマトを半分に切り、中をくりぬいて汁気をとる。 チーズを、くりぬいたトマトの中に入れる。 オリーブオイルに、レモン汁、塩、コショウ、乾燥バジルを適量混ぜて味を整える。 パンの中央に、チーズを入れたミニトマトを置いて、味を整えたオリーブオイルのソースをかける
ラップで包んでひねって完成
オリーブオイルのソースがちょっと垂れそうになったので、ゼラチンでジュレっぽくして、チーズと一緒にミニトマトの中に入れてもいいかもしれない。
バナナマーマレードにぎりイッチ
箸休めに、スイーツ系のにぎりイッチも。
家にあったバナナとマーマレードを握ってみよう。
パンにマーマレードを塗り、一口大に切ったバナナを中央に乗せる
ラップで包んでひねって完成
お弁当やフィンガーフードとしていいかも
注意点としては、具材が多いと握ったときにあふれてくるので、少なめにするのがポイント。
また、そのまま置くと乾燥したり、開いてしまったりという危険性があるので、閉じたラップをワイヤー入りのビニールひもやリボンで巻いて閉じれば、弁当にもちょうどいいかもしれない。
ピックを刺したら、パーティー用のフィンガーフードとしても良さげ。
にぎりイッチ、具材は何を包んでも意外とイケると思うので、汎用性が高い気がする。
中身が見えないから、食べるときに「何が入っているんだろう?」というワクワク感もあるし。
いかがでしょうか。
思いつきで作った“にぎりイッチ”。
おにぎらずもいいけど、サンドイッチな気分のときは、(頑張って開発したので)にぎりイッチも試してみてください。
書いた人:栗本千尋
1986年生まれ。青森県八戸市出身(ですが、実家が最近なぜか仙台に引っ越しました)。情報系雑誌をはじめ、旅行やグルメ雑誌、webメディアなどでお仕事しています。旅行会社→編集プロダクション→任侠系DVD会社勤務を経て、2011年からフリーライターに。2014年に出産し、一児の母になりました。
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