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Album Review: バラエティに富んだ唯一無二のカタログを誇る<リスペクトレコード>の20周年を祝うコンピ盤

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 世界の音楽を紹介する<リスペクトレコード>。今年20周年を迎えるということで、この度リリースされたのがこのコンピレーション・アルバムだ。このレーベルのラインナップは、とにかくユニークとしかいいようがない。いわゆる英米のメジャー・アーティストやJ-POPは扱わないから、どちらかといえばマニアック視されることも多いだろう。しかし、こうやって20年の歴史を俯瞰して見てみれば、どんなメジャー・レーベルにも負けない、豊かでバラエティに富んだカタログがずらりとラインナップされている。大ヒットした作品は無いかもしれないが、ベストセラーとしていつまでも店頭に置かれ、そしてそれ以上にリスナーの記憶に残っている作品が多いのだ。

 リスペクトの大きな柱となるのが、沖縄のアーティスト。ここでは、冒頭に置かれた巨匠・登川誠仁と知名定男のデュオ、クラブ・ミュージックの琉球アンダーグラウンド、そして琉球交響楽団のオーケストラ・サウンドと、トラディショナルからコンテンポラリーまで押さえていることがよくわかる。また、もうひとつの柱となるフレンチ・ポップに関しては、話題を呼んだザーズやアコーディオン奏者のダニエル・コラン、そしてレゲエ・バンドのトリヨまで、これまた野趣に富んでいる。他にも、ハワイのスラックキー・ギターによる数々の名演や、イタリアのマンドリン・サウンドにカーボベルデのシンガー・ソングライター、そしてシエラレオネのパームワイン・ミュージックまで多種多様。控えめながら、福山雅治がギタリストの吉川忠英のアルバムに参加したトラックを収めているというあたりも、ちょっと驚きつつも納得してしまう。

 いずれにせよ、ここに集められた音楽は、本当にいい音楽を追い求めてきた音楽ファンには納得できるものばかり。そして、代表の高橋研一さんが熱意を持って制作し、プロモートしてきたこともあり、隅から隅まで目に見えないが一貫した強い魂が込められている。だから、アルバムを聴き進めていくと、エリアもジャンルもバラバラなのにトータリティを感じさせてくれるのだ。収録曲に関してひとつ共通点を挙げるとするならば、「いい音楽である」ということでしかない。これからもこの姿勢を崩さず、いい音楽を届けてもらいたいと切に思う。とにかく、20周年、おめでとうございます!

Text: 栗本 斉

◎リリース情報
『祝!リスペクト20年 ~みなさまのおかげで~』
V.A.
2015/10/7 RELEASE
2,000円(tax incl.)

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