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労働問題パート2

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 前回に会社外部のユニオンの問題を書いたが、外部ユニオンが関与する事件は意外に多い。今回紹介するのも外部ユニオンが関係した事件である。

 機械を取り扱う会社の場合、指を切断するとか手が巻き込まれてしまったとかいう労働災害事故が発生することもある。今回はその話である。
 舞台となったのは、中小企業がひしめく地域にある、とある会社である。昔「三ちゃん企業」という俗称があった。お父ちゃん、お母ちゃん、お兄ちゃんの3人がやっている極めて小規模の会社や個人商店を意味した。

 その会社は「三ちゃん」ではないものの、従業員は家族以外に2名ほどの外国人であった。しかも不法就労外国人であった。
 断わっておくが、その会社社長は、不法就労だからといって、特に安月給でこき使っていたわけではない。その当時その外国人の母国での物価は、中流家庭の夫婦共働きで年収50万円にも満たないものであったから、頑張って働いて母国に戻れば、かなり贅沢な暮らしができる。

 その外国人が機械に指を挟まれて切断してしまうという事故が起きた。外部ユニオンが出てきて、揉めに揉めることとなった。
 ここで言いたいことは、大仰なようであるが、「正義」とは一体何なのかということである。
 その外部ユニオンは「労働者は使用者から搾取されている」という時代錯誤のようなスローガンを掲げ、安全教育もせず、不法就労者を安く使用しているとんでもない会社だと糾弾活動を始めた。個人商店が法人成りし、家族総出で休みもなく稼働している会社の社長が搾取者という発想が理解できない。

 地裁で判決が出て双方が控訴し、高裁で和解勧告がなされた。
 当方としては和解に応ずる意思はあるのだが、和解金をいつまでにいかなる方法で工面するかが問題であった。そのため和解期日が何回か設けられた。和解というのは、双方が歩み寄って妥協点を探すものであり、その意味では双方の間にある程度の信頼関係がなければならないと思う。
 ところが、その和解の最中に、外部ユニオンが旗を立て、十数人で会社前へやってきて「裁判所(地裁)の判決に従わない、とんでもない会社だ」というような街宣をした。

 和解中であるから、地裁判決に従うも何もない。そのような街宣行為が果たして正義といえるのだろうか?むしろ不正義ではないだろうか。
 仮に和解とならなければ、外国人側は強制執行をしなければならないが、預金なし、不動産は抵当に入っているとの状態である。こちらも誠意をもって何とか和解でと考えている最中になされるべき行動ではないだろう。

 そのユニオンの御用弁護士に抗議を行ったが、我関せずという態度であった。裁判での準備期日には、ユニオンの幹部と一緒に入ってくるほど、ユニオンと一体となっているにもかかわらず、このような場合だけ、そのような態度をとるというのは卑怯というものであろう。

 彼は不法就労者であるから、逸失利益については最高裁の判例があって、就労可能期間が限定されるが(早晩強制退去等になるからである)、慰謝料についてはどうだろうか。
 事故時点で慰謝料が発生しているから将来期間が限定されるといったような減額要素は形式的にはない。しかし、日本人と同額の慰謝料とすることが正しいのだろうか。
 単純に考えて、1000万円の慰謝料が妥当だとした場合、彼は強制送還ないしは自費出国となるが、母国の年収が夫婦二人で50万円とすると、当時の日本の一人当たり平均年収が300万円であると仮定した場合、実質的には1億円以上の慰謝料となる。実質的にそれが正義であるのか悩ましいところであった。

 そこそこの金額で和解を成立させた記憶であるが、その後、彼と同国人から、彼の手元に金銭はほとんど残らず、ユニオンに吸い上げられたとの噂が流れてきた。街宣の日当、弁当代、弁護士費用等々が高いのである。
 それでも、労働者の味方といえるのだろうか。搾取者は誰なのかと言いたい。

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