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Album Review: ムーンベイビーズ 美メロの宝庫スウェーデン発!穏やかにたゆたうドリーミーなエレクトロ・ポップ

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 浮遊感に溢れたエレクトロ・サウンドと、陰影に富んだツイン・ヴォーカル。美メロの宝庫、北欧スウェーデンから、またドリーミーな傑作が誕生した。

 ムーンベイビースは、1997年にスウェーデン第三の都市マルメで結成されたグループ。オラ・フリックとカリナ・ヨハンソンというこの男女デュオは、2001年にデビュー以来、3作のアルバムを発表しており、この『ウィザーズ・オン・ザ・ビーチ』は7年ぶりのリリースとなる。初期の作品では、シューゲイザー風のハードな一面もあったようだが、今作に関してはダークな印象は一切無い。キラキラと輝くようなシンセサイザーの音色に乗って、美しいメロディを奏でていく。アコースティック・サウンドを隠し味のようにまぶしていくなど、アレンジの手腕も見事だ。とげとげしさを感じないエレクトリック・サウンドからは、フォークトロニカにも近い質感を感じさせる。

 そして、そういったサウンドと彼らのヴォーカルとのバランスが、とにかく絶妙だ。どちらかというとウィスパー・ヴォイスに近いし、声量やテクニックで聴かせるタイプではない。しかし、ソフトロックやサイケデリック・ポップとでも言いたくなるコーラスやエコー処理などによって、独特の空間を生み出しており、最終的には歌が耳に残るように音響設計されている。昨今流行りのUKあたりの陰鬱なエレクトロとは一線を画しており、気怠さや内省的な雰囲気を持ちつつも、ネガティヴな印象にならないのは声質とメロディの力だろう。穏やかにたゆたうエレクトロ・ポップを聴きたいと思ったら、真っ先に手に入れてほしい一枚だ。

Text: 栗本 斉

◎リリース情報
『ウィザーズ・オン・ザ・ビーチ』
ムーンベイビーズ
2015/10/24 RELEASE
2,430円(tax incl.)

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