元力士を父に持つニコ動大相撲担当「力士が親方に怒られる様子が見られることも」

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垂澤和成さん

 大相撲の五月技量審査場所が2011年5月22日、千秋楽を迎えた。ニコニコ動画では、新弟子検査で合格した力士が初めて土俵にあがる「前相撲」を含むすべての取組を生放送している。配信を担当するドワンゴ社員・垂澤和成さんは、「視聴者は、序盤の取組で初々しさの残る力士が親方に怒られる様子や、声がうまく出ていない呼び出しの姿に『リアルさ』を感じているようです」と分析する。垂澤さん自身、元力士を父親に持つ、生まれながらの「相撲ファン」だ。

 垂澤さんの父親は昭和時代に活躍した元関脇「麒麟児」(現・北陣親方)。天覧相撲では、その取組に昭和天皇も注目されたといわれる。しかし垂澤さん自身は相撲の経験がほとんどなく、学生時代は陸上部で短距離走に打ち込んだ。「朝食から大量の唐揚げやすき焼きが食卓にのぼることはありましたが、その他は一般的な家庭と同じだったと思います」。IT関連企業からドワンゴに転職して初めて、ニコニコ生放送で大相撲が中継されることを知ったという。入社後まもなく「相撲に詳しいから」との理由で、大相撲中継の担当となった。「これも偶然なのですが、妻の祖先には(7代横綱の)稲妻雷五郎がいるんです。どうも相撲とは不思議な『縁』があるようです」と語る。

ニコニコ動画に大相撲を配信中

 垂澤さんによると、「前相撲」や「序ノ口」など序盤の取組では力士、行司、呼び出しいずれも新人が多いため「見ていてハラハラする場面」があり、取組後、力士が親方から怒られる様子が映ることもあるという。そうした「何が起こるかわからない期待感とリアルさ」から、数多くのコメントが寄せられるようだ。「ニコニコ動画では『カツオ』とニックネームの付いた序ノ口の呼び出しや、『寧々たん』の愛称で呼ばれる序二段の行司にも人気が集まっています」と、垂澤さん。珍しいしこ名を持つ幕下力士「右肩上り」(大嶽部屋)の取組なども毎回盛りあがると語った。「前相撲や序ノ口の取組をすべて中継するのはニコニコ動画が初めてなので我われも手探り状態ですが、その地位にいる力士や行司の親御さんも、故郷から観てくれているんじゃないかと思っています」と、ニコニコ動画での大相撲中継には、いくつもの楽しみ方があることを教えてくれた。

大相撲「五月技量審査場所」千秋楽

土井大輔

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