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労働問題

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 企業側にしか立ったことがないが、労働問題も難しい。特に残業代の恒常的な未払いで累計がかなりの額に及んでいる場合などは非常に困難である。どう考えても形式的な非は企業側にあるといわざるを得ない。
 また法的な問題ではないが、会社外部のユニオンなどがついたときには、私のポリシーと180度違うポリシーを持つ団体であることもあって、感情的な対立となることも少なからずある。

 ある中小企業で労働問題が発生した。従業員がわずか20名ほどで、材料を仕入れそれを加工して、車両に加工品を積載して顧客に納入するという仕事をしている会社である。本件では業務内容も労働問題解決の一要素であったので、それを明らかにしたいが特定されるかもしれず、ここでは明らかにできない。

 1名の従業員が外部ユニオンの組合員となり、団交を行うことになった。その後組合員は確か4名ほどになったが、さらにその後は2名となった。
 この事件で難しいのは、それまでの未払残業代を払い(組合員だけでなく他の従業員にも払う)、加えてユニオンが要求する解決金をユニオンに支払った場合、会社が倒産に直面する事態になるということである。
 それまでも手形のジャンプを繰り返し、社長が私財をもって決済してきた。

 この現実を踏まえるのであれば、私としては確かに未払残業代があるのだが、何とか棚上げにし、今後は法に沿って賃金を支払うなどの方法を採れないかと考えていた。大きい目で見れば、会社倒産によって大多数の従業員が路頭に迷うことを回避できるからである。それが労働者のためではないかと考えていた。

 しかし団交は暗礁に乗り上げ、ユニオン側は会社正門前で材料を納入しにきたトラックを帰すなどしてますます会社状況は悪化した。さらに、加工品納入先に対しても労働関係法令を遵守しない会社と取引すべきではないと圧力をかけて、にっちもさっちもいかない状況となった。
 さらに、納入先への製品搬入は、製品の性質上できる限り回数を減らしての納入であることが求められており、いきおい会社側はトラックへの過積載を行っていた。この過積載については、ユニオン側も一定の理解を示していたが、それは法定積載量の○パーセントオーバーまでなら目をつぶるというもので、それまでの過積載量よりも減らされていた。過積載も法令違反であることは分かっている。でもね~というのが私の考えであった。

 そのうち会社所有の遊休地を売却して金銭を調達しようということになったが、それも仲介不動産業者の不手際であるのか、会社の不手際であるのか不明であるが、売買を履行できず、違約金の支払いをしなければならないという踏んだり蹴ったりの状態となってしまった。もちろん、このことはユニオンには無関係のことではあるが。

 結局、倒産を回避できない状態になった。夏の暑い時期だったと思うが、冷房も入っていない会社の部屋で、従業員を集めての説明会開催ということになった。ユニオンも来た。従業員からは、これからどう生活すればいいのだという悲痛な罵声を浴びせかけられた。社長はひたすら謝るばかりであるし、それしかできない。

 真夜中まで続いたが、私は「ユニオンの介入でこうなったんだ。一部組合員のおかげでこうなったんだ」と言いたかった。でもそれは言ってはいけないことである。結局倒産となっての終結であったが、従業員のことを考えると後味の悪い事件であった。

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労働問題

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