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マイナンバー制度 米国では信用偏差値による社会的格差拡大も

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 もうすぐ始まる「マイナンバー」制度。クレジットカードとも紐づき、犯罪多発の危険にもさらされる挙句、格差をも生み出す可能性があるという。消費生活評論家の岩田昭男さんに話を聞いた。

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「マイナンバー」制度とは、国民全員に1つの番号を発行して、その番号でさまざまな情報管理を行おうとするシステムのことです。米国の社会保障番号(SSN)に相当し、施行の目的は行政(国)が管理をしやすくすることだといわれています。サービスの開始は来年1月からですが、今年の10月には、住民票に記載のある家族全員にマイナンバー通知カードが届く予定となっています。

 当初は「社会保障」(年金など)、「税金」(確定申告など)、「災害」の3分野に限定してマイナンバーを利用することとなり、当面は個人の日常生活に大きな影響はないでしょう。しかし、2018年以降は民間利用の解禁が予定されており、銀行口座、クレジットカード、年金や保険といった金融情報がマイナンバーに紐付くことになります。

 それは私たちにとって、いいことばかりではありません。むしろ、「振り込め詐欺」のような犯罪が多発することが危惧されます。マイナンバー先進国の米国では、社会保障番号を盗まれたことで、自分名義のクレジットカードをつくられて身に覚えのない金額を請求されるという事件が頻発しています。

 また米国では、2006~2008年の3年間に、1170万人もの米国人が年金や失業給付金の不正受給といった「なりすまし」被害に遭ったといわれています。そうした被害件数があまりに多いために、米国政府機関はできるだけ社会保障番号を利用しないようにシステムを更新するなどの対策を進めています。

 このような犯罪の犯人は犯罪組織や悪人とは限らず、身近にいる家族や友人などの場合も少なくないので、問題は複雑です。たとえば、親の社会保障番号を子供が盗み見て勝手にクレジットカードをつくり、好きなものを買いあさり、単なる犯罪で終わらず家庭崩壊に至るといったケースもあるようです。ここに、数年後の日本の姿を見る気がします。

 ほかにも、マイナンバーの懸念事項はあり、社会的格差が広がるといわれています。

 米国にはクレジットスコアという個人の信用偏差値がありますが、これは毎日のクレジットカードの利用履歴を集計して、その人の信用力を弾き出すというものです。250~850点までの点数が付き、もちろん点数の高い人は信用力があるとされます。クレジットカードの限度額を高く設定してもらえますし、ローンの金利も低くしてもらえるのです。逆に点数の低い人は、カードの審査に落ちたり、ローンも高い金利でしか借りられません。

 このクレジットスコアと社会保障番号は紐付いており、政府や民間企業はマーケティングや雇用の際に有効活用しています。実際、米国ではスコアは就職面接で使われますし、結婚でも参考にされます。数年前のリーマンショックもスコアの低い人たちに金融機関がお金を貸しすぎたために起こったといわれるなど、やっかいな代物なのです。

 ところが、米国の日本に対する対日要求報告書では、このクレジットスコアを導入せよと日本に迫っていますから、おそらく2018年の民間利用解禁の時には、本格導入されるのではないかと考えられます。

 そんなわけで、クレジットカードとマイナンバーの相性は驚くほどよさそうですから、大いに警戒しなければなりません。

 自衛のためには、まず、今度送られてくる個人カードの番号を誰にも見せないことが大切です。12桁の番号があなたのプライバシーのすべてなのですから、家族にも見せないようにしたいものです。

 そして、毎月のクレジットカードの履歴を確認して、不審な利用があったらすぐにカード会社に連絡するようにしましょう。“なりすまし”で、あなたのカードがつくられている危険性があるからです。

 本番の個人カードが行き渡るのはまだ先ですから、むやみに心配することはありませんが、2018年になれば世の中が一変すると予測されます。その時に備えて、マイナンバーの仕組みをよく知り、クレジットカードの上手な使い方についてもあらためて復習しておくことが大切です。

※女性セブン2015年10月8日号


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