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何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第8回)

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19.おかえり、スティーブン

 

スティーブンは走っていました。

 

「僕は帰っていいんだ! 僕には帰る場所があるんだ!」

 

クインシー・ジョーンズの家へと走ると、勢いよくドアを開けました。

 

「おかえり。スティーブン」

 

そこには笑顔のクインシーが立っていました。

 

 

「クインシーさぁぁぁぁぁぁん!」

 

スティーブンは嬉しさのあまり、クインシーに抱きつきました。

 

「クインシーさん、僕いくらでも車を磨くよ! 立派なボーカリストになるために、たくさん磨くよ!」

 

「そうか、そうか」

 

クインシーは笑いながら、ポケットからリンゴを取り出しました。

 

それを片手で握ると・・・

 

グシャッ!

 

そのまま握りつぶしました。

 

 

「このぐらいの握力がないと、立派なボーカリストにはなれんぞ。それまで車磨きを続けるんだ」

 

「はい・・・はいっ!」

 

スティーブンは泣きながら頷きました。

 

 

「せいっ・・・せいっ・・・せいせいせいっ!」

 

それからというもの、車を磨くときのスティーブンの叫び声は街の名物となりました。

 

たまたま通りがかった中古車の業者がこう言います。

 

「すごい・・・彼が磨くたびに10万は価値が上がっているぞ・・・!」

 

心を入れ替えたスティーブンは熱心に車を磨きました。

 

もう1つ、スティーブンにはある日課ができました。

 

「251・・・252・・・253・・・」

 

毎日、リンゴを握りしめる「素振り」をすることです。

 

いつの日か握りつぶせるのを信じて握り続けました。

 

そして半年やり続けたある日・・・。

 

「384・・・せいっ!」

 

グシャッ!

 

リンゴは握りつぶされ、果汁が噴水のように噴き出しました。

 

「やった・・・やったぞ!」

 

果汁を浴びながら、スティーブンは声をあげて喜びました。背後から拍手が聞こえてきます。

 

「おめでとう」

 

振り向くと笑顔のクインシーがいました。

 

「ほらよっ」

 

クインシーはスティーブンにあるものを投げ渡しました。

 

「これは・・・マイク!」

 

「やろうぜっ、レコーディング!」

 

クインシーが親指を立てます。

 

「よっしゃああああああっ!」

 

スティーブンは飛び上がって喜びました。

 

 

20.アメリカ大統領の憂うつ

 

 

大統領は青ざめていました。目の前にはアメリカで一番頭がいい数学者がいました。

 

「これは事実なのかね?」

 

「はい」

 

そう言うと数学者はホワイトボードに勢い良く「100%」と書き付けました。

 

「数学的に100%です」

 

 

大統領は頭を抱えました。

 

「いったい、どうしたら・・・」

 

大統領は窓に近づくとブラインドを指で開き、隙間から外を見ます。

 

ホワイトハウスの前の通りには小さい子どもから老人まで、様々な人が歩いていました。

 

「いったいどんな顔で彼らに発表すればいいんだ、この事実を・・・もうすぐ人類が絶滅するだなんて・・・」

 

 

(つづく)

 

【シリーズ一覧】

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第1回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第2回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第3回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第4回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第5回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第6回)

何も調べずに書いたエアロスミスの生涯(第7回)

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