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米で余剰活用型経済が勃興 トイレを1ドルで貸すサービスも

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 いま世界には「三つのクラウド」という新たなビジネスの武器が生まれている。三つのクラウドとは「クラウドコンピューティング」「クラウドソーシング」「クラウドファンディング」だ。

 大前研一氏は「三つのクラウド時代の景色が見えていれば、新しい事業機会はあちこちに転がっている」と指摘する。

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 たとえば、スマートフォンのアプリケーションを利用した配車サービスの「ウーバー(UBER)」。これは、一般個人の空いている車をタクシー代わりに使い、アプリに乗車場所と行き先を入力すれば近くにいる登録済みの車の到着時間や料金の目安が表示され、支払いは事前に登録したクレジットカードで自動決済されるというもの。

 その便利さと料金の安さが人気を集めて世界59か国に事業を拡大している。オーストラリアのゴールドコーストでは、この1年間で従来のタクシーのほとんどがウーバーに転換してしまったほどである。

 宿泊仲介サービスの「エアビーアンドビー(AirBnB)」も、空いている個人の部屋や家を貸し借りするもので、世界192か国・3万5000都市に約60万件の登録物件があり、1日50万人が利用している。登録物件は普通の部屋や一軒家だけでなく、城、ツリーハウス、ボート、島まるごとなどもある。

 近年はカーシェアリングやシェアハウスなど誰かが所有しているモノや空間を複数の人で共有する「シェアエコノミー(共有型経済)」が広がってきたが、これからはウーバーやエアビーアンドビーのように空いているモノや空間をニーズのある人に提供して活用する「アイドルエコノミー(余剰活用型経済)」(私の造語)が主流になるだろう。

 同様の発想で面白いのはアメリカで流行している「エアピーアンドピー(Airpnp)」というサービスである。「ピー(pee)」は英語で小便のこと。「エアビーアンドビー」は部屋や家を貸すが、「ピーアンドピー」では自宅や店、事務所のトイレを1ドルなどの金額で貸してくれるのだ。

 すでにボストンやサンフランシスコなどでは、このアプリで検索すると、トイレを貸してもよいという家がスマホの地図上にいくつも出てくる。

 見ず知らずの相手に自宅のトイレを使わせることには抵抗があると考えるかもしれないが、フェイスブックなど本名や素性がわかる情報が把握できればリスクは減らせるし、相手を見て嫌なら拒否すればよいのである。

 このようにアイドルエコノミーにGPSを組み合わせれば、まさに“商い無限”である。

 これからの時代は三つのクラウドを実際に自分で使いこなして理解したうえで、それを活用した新しいビジネスを「発想する力」を鍛えることが大事なのだ。そのためには常に“頭の体操”を繰り返し、柔軟な思考力を養っておかねばならない。

※SAPIO2015年10月号


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