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名誉毀損で訴えることはできますか?

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Q.

 過去に借金で自己破産をしました。その事がどこからもれたのか、職場ではスピーカーと称される人の耳に入り噂が広められているようで…。事実なのですが、この行為は名誉毀損にあたりますか??

(40代:女性)

A.

 名誉毀損など、誹謗中傷にあった場合の対処方法としては、名誉毀損罪に当たるとして刑事責任を問うように捜査機関に働きかけることや、名誉毀損行為だとして民事において損害賠償請求を行うことが考えられます。

 まず、前者について。刑法230条1項で規定される名誉毀損罪では、「公然と」「事実を適示し(事実の有無にかかわらない)」「人の名誉を毀損した」場合に罪が成立するとされます。
 ここでいう公然とは、不特定多数または多数の人が認識し得る状態にしたことを指します。また、毀損とは事実を摘示して人の社会的評価が害される危険を生じさせることを意味します。現実に人の社会的評価が害されたことまでは必要ありません(大判昭和13年2月28日)。
 (なお、名誉毀損罪は刑法230条の2で、公共の利害に関する事実であって専ら公益を図る目的であれば免責されるという規定もありますが、今回のケースでは免責される可能性は低いため指摘にとどめます)

 今回のケースでは、職場で話を広めているのであれば公然性は肯定されます。自己破産をしたという点が事実ですし、それが指摘されることで会社内における社会的評価も害されるため要件を満たすと考えます。
 名誉毀損罪は親告罪(刑法232条1項)とされています。親告罪とは、捜査機関に犯罪を申し出て処罰を求める告訴を行わないと罪を問えないことを意味します。したがって、ご相談内容で指摘された点を警察などに相談し、被害届などの提出をする必要があります。

 次に、後者の民事責任を問う対処法について。名誉毀損的行為がなされた場合、不法行為に基づく損害賠償請求を行うことが想定されます(民法709条)。これは相手方の行為によって、権利が侵害され、その結果として損害が生じたときに損害賠償請求をしうるというものです。名誉毀損行為の場合、社会的評価を低下させる事実の流布、それによる評価の低下、故意または過失、損害の発生などが成立要件です。

 今回のケースでは、社会的評価を低下される事実として自己破産したことを指摘する行為があり、これによって社内の評価が下がることが指摘できます。意図して噂を広める点に故意も認められます。したがって、損害賠償請求はできるものと思われます。名誉毀損の場合、損害賠償請求の項目は主として慰謝料になります。

 上記のように、刑事、民事ともに相手方に責任追及は可能です。もっとも、こうしたアクションを起こすことで、会社内に「あの噂は本当だったのか」と悪い方向に影響がでる恐れもあります。むしろ、噂を広めている本人と話し合いの場を持ち、「(噂の真偽は留保しつつ」噂を広めるような行為を続ければ法的手段も辞さない」というプレッシャーをかけるというのは一つの方法ではないかと思われます。

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名誉毀損で訴えることはできますか?

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