尾木ママが「オタクな子どもたち」に理解示す 「人間は基本的にグロいものが好き」

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尾木ママが「オタクな子どもたち」に理解示す 「人間は基本的にグロいものが好き」

勉強を後回しにしてアニメやゲームに没頭する「オタク」な子どもに、親はどう接して行けばいいのでしょう。9月17日放送「ウワサの保護者会」(NHK Eテレ)のテーマは「うちの子 オタクなんです」でした。

尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんが、悩める保護者たちと座談会。私も小学生の子どもをもつ親として、他人事ではなく興味深く見ていました。
4時間帰らなかった小2の「エレベーターオタク」も

小中学生の保護者を対象にした「うちの子はオタクだと思いますか?」という番組アンケートでは、半数近くの44%が「オタクだ」と回答。色々なハマりものがある中で、親から見て比較的安心なのが「歴史」や「鉄道」「昆虫」など勉強に役立ちそうなものとのこと。

逆に心配なのが、バーチャルな世界にのめり込む「ネット動画」や「ゲーム」「アイドル」「アニメ」。変わり種として「小2でエレベーターを見に行って4時間帰らなかったエレベーターオタク」という強者もいて様々です。

保護者のお悩みで一番多かった声は、「没頭しすぎて勉強しない」こと。そして「途中でやめさせようとするとキレる」「将来役立ちそうもない」などの回答からは、親と子の日常の摩擦を感じます。

番組に集まった保護者からも、「机がフィギュアだらけで宿題できる環境ではない」「食事とお風呂以外はずっと」と不満の声。このままでいいのだろうか、と不安が募るのもうなずけます。

娘さんが、描いている絵を「グロいから」と見せてくれない、「鬼畜」なんて言葉を使う、「残酷なマンガを読んでいて、人を殺めることを簡単に考えそう。理解できず怖い」と話すお母さんたちは、頭ごなしに禁止すれば隠れて見るだろうと悩ましい様子でした。
「家族のなかでの居場所」確保が大事

一方、歴史に関わるので安心なはずの「織田信長リスペクト」のTくん(中2)も心配されています。信長の愛刀「義元左文字」のレプリカが宝物で、1人で剣術稽古をし、夜な夜な戦略を研究しています。

数々のモデルガンコレクションもあり、友達とエアガンでサバイバルゲームを楽しみます。Tくんのお母さんは「(撃ち合いが)エスカレートして、物足りなくなるんじゃないか」と不安顔でした。

これに対して尾木ママは「ああいう遊びがいけないわけではない」と理解を示し、グロテスクなものも頭ごなしに反対しないほうがいい理由をこう説明します。

「人間は基本的にグロいものが好き。現代は清潔すぎてグロい体験ができなくなっているから、子どもたちはアニメなどで体験しようとする」

禁じれば過食・拒食など心理的なマイナス面が別方向から出てくるといいます。それでも、「放置すればいいわけじゃない」として、子どもを現実につなぎ止めるためのアドバイスも。

「家族のなかでの居場所を確保してあげる。(家事を任せるなど)自分が役立つ、必要な存在だと感じさせれば、グーンとあっちの世界に行ってしまう事はないわね」

人間は清濁併せ飲みながら成長するものだ

さらに保護者のひとりは「オタク操縦法」として、「親と子ども、お互いの好きなものを把握し合う」というポイントを伝授。自分もゲームをやり、区切りのいいところを知る。歴史ならば関連本を与えるなど学びに誘導する。どうせなら、子どもの好きなことを理解して会話を広げるほうがいい、という考え方です。

最後に尾木ママは、「一緒に関わって、こじ開けず、でも閉じさせない。いい距離感を確保しましょう。グロいのも楽しんでね!」とまとめました。

自分の好きなものを否定されたくないのは、誰でも同じ。親もアニメやマンガは好きなはずで、それ自体が悪いわけではありません。それに、子どもが好きなことに没頭して勉強しないのは昔も今も変わらない、と冷静に考えれば分かります。

ただ、子どもの成長に悪影響がありそうな過激さとか、そればかりに没頭する姿に不安を覚える、ということでしょう。人間は清濁併せ飲みながら成長するもの。趣味を理解できなくても、わが子を信じて人として家族としての関わりを大切にしていれば大丈夫、ということだと思いました。(文・篠原みつき)

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