「もっと、もっと」が人間の心を折ろうとしている

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「もっと、もっと」が人間の心を折ろうとしている

 いつも人の目を気にしたり、周りからどう思われているか気になってしまう人はこういった想いから、無理をしてでも頑張りすぎてしまい、結果、心が疲れてしまう。そんなことにならないように、心が折れてしまう前に、対処するにはどうしたらいいのだろうか。

 『心が折れそうな人のための言葉の処方箋』(竹内好美/著、秀和システム/刊)は、心が折れそうな人や、すでに折れてしまった人向けに、心が軽くなりラクな気持ちで生きていけるコツを紹介した一冊だ。

■周囲に合わせようとすると体に無理が生じる
 心が折れてしまう原因をひとつひとつ見ていくと、はじまりはすべて「過剰適応」だという。過剰適応とは、周りの環境に合わせようと、身体機能を慣れさせていった結果、いきすぎた適応になってしまうことである。
 「もっと仕事ができるようになりたい」「もっと人からよく見られたい」と、今の状況には満足できず、「もっと、もっと」という思いが強くなりすぎると、自分を犠牲にしても、周りからの評価を求めるようになってしまう。すると、「イヤなヤツだと思われないように、相手に合わせる」「疲れていても、無理して仕事を続ける」という行動をとるようになる。過剰適応で、仕事をがんばり続けていると、いずれはクタクタになってしまうだろう。

 では、「過剰適応」を改善するにはどうしたらいいのか。人と人との関係において、「勝ちか負けか」「上か下か」にこだわっていると、関係は硬直してしまう。たとえ、相手が上司や得意先でも、自分の意見をきちんと伝え、業務遂行のために質の高いパートナーシップを持つことだ。
 「上司の命令なので」「お得意先の無理難題なので」と思いながら、イヤイヤやっているより、「いい提案だったので、このままいただきます」と思ってやる方が、前向きな気持ちでいられる。その方がよりよい結果が得られるはずだ。
 このような“イコールパートナー”の意識を持つこと。そして、人と人だけでなく、会社とも“イコールパートナー”の関係であること。会社に帰属するのは退職までの間、「仕事」というパートナー限定で付き合っていくのが会社だと考えるとよいと著者は述べる。
 そういう姿勢でいれば、自分を見失うほど、会社に過剰適応してしまうこともなくなるのだ。

 仕事もプライベートもうまくいかない。やる気が出ない。うまくいかないときや、頑張りすぎて疲れてしまったとき。苦しい状態から抜け出そうと、さらに頑張るのではなく、その原因を突き止めることで、気持ちがラクになるはずだ。本書から、その原因や心を軽くするコツをつかむことができるはずだ。
(新刊JP編集部)


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