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【驚きの交渉術】iPad発売直前。ジョブズが送ったメールを知っていますか?

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ここに紹介するのは、Appleの元CEOスティーブ・ジョブズが、世界初のiPad発売発表を目前に控え、電子書籍の販売契約を巡って大手出版社HarperCollinsのトップと交渉をした際の、緊迫した一部始終が綴られたメールです。

Elite Daily」ライターJoseph Milord氏は、このメールのやり取りに、類い稀なジョブズの交渉術があると論じています。死して尚、人気を誇る希代のビジネスリーダーが遺した、人を説き伏せるメールの書き方を学んでみては?

Working in finance

先月(このコラムが書かれたのは2013年6月)、スティーブ・ジョブズは墓の中から、「自分はまだ世の中にインパクトを与えられる」と誇張するかのように、人々の間違いを指摘してみせた。ジョブズがこの世を去った2011年10月、米国政府は、大手出版社「HarperCollins」との間で彼がやり取りをしていた電子メールが、「電子書籍の市場価格操作を行おうとしていた疑いがある」と、突如発表した。

このスキャンダラスな内容はともかくとして、私たちが注目したいのは、ジョブズの交渉力がいかに素晴らしいものであったかという点。彼が、HarperCollinsの親会社である「News Corp」のCEOジェームズ・マードック(ルパード・マードックの子供)を、いかに説得したのか?ジョブズ流の「交渉の場で勝つための秘訣」とは?
無慈悲とも言える冷静さと巧妙な話術、支配的なまでの決断。思いのままに交渉を進めた、ジョブズの手腕を見ていこう。

01.
独自の視点から
欠点を的確に指摘

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マードックは、ジョブズ流の無慈悲で容赦ない施策を実行に移してみた。しかしながら、生徒は教師をしのぐことができなかったことが分かる一例をご紹介しよう。

AppleはiPad の発表日を5日後に控えていた。しかしながら、発表の目玉となるはずの「iTunes ストア」で電子書籍を販売する契約を、この時点でまだ結んでいなかった。その契約相手として交渉していたのこそ、件のHarperCollins社だ。
しかし…親会社のCEOジェームズ・マードックは、Appleが提案した電子書籍の提案よりも、Amazonの「Kindle」を魅力的に感じ、手を組むことを考えていた。HarperCollinsの幹部が、Appleに対して送ったメールは、電子書籍の提案を断るものだった。

「今は、ともに電子書籍のビジネスを始めるのに適した時期とは思えない。将来的に、何らかの形で、あなたとビジネスができるることを願っている」

これに対してジョブズが返信した内容がこれだ。

「Amazonのように、掛かる費用以下で電子書籍を販売する(例えば、13ドルで購入し10ドルで販売)ビジネスモデルは、将来的に継続しないはず。なぜなら、合理的に利益を生み出すことができないからだ。これから、電子書籍の分野はますます拡大していく。そうなれば、小売業者たちは少なくとも多少の利益を必要とするはず。彼らが、マーケティングや市場基盤を含めたビジネスの未来に投資するためには、利益を生み出すことが必要不可欠。彼らの投資は、あなたの望むことでもあるのでは?」

マードックは、契約無しでiPadの販売を発表することのデメリットについて言及した。対するジョブズは、価格を低く設定することで起こる、電子書籍市場全体の脆弱さを切り込んだ。
利益を作るためには、自分たちが必要だということをマードックに強くアピールするやり取りではないだろうか。あくまで真摯な態度で、敵対する企業の脆弱さや欠点を引き出し、取引相手を説得させるジョブズの手法をうかがい知ることができる。

02.
一見恐ろしい内容も、
巧妙に語るジョブズ

Discussing business together

今度は対照的に、「自分に従わない場合、危機に直面する」可能性を、実に巧妙に相手に伝えた事例を紹介しよう。例えば、彼が述べた以下の一説がそうだ。

「専門家は、Amazonが100万人以上のユーザーにKindleを販売するのに、18ヶ月以上の月日が掛かったと言う。我々Appleの新製品は、Amazonがこれまで販売したKindleの売り上げを、発売後、たった数週間で上回ることができる。AmazonやSonyにあなたが固執していると、おそらく電子書籍の革新的な流れに乗り遅れることになるだろう」

しかし実のところ、Amazonはそのような数字を表明していない。彼のメッセージの特徴は、非常にシンプルなこと。さらに、冷酷とも思える内容も、巧妙に伝えることで聴衆の感情を揺さぶる効果が得られる。「時代に取り残されたくない」という人間心理を刺激するのに十分ではなかろうか。

03.
非情とも言えるほど、
明確に決断を迫る

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交渉相手が歩み寄り、最終段階に近づくと、ジョブズは時間を無駄にすることを嫌い明確な答えを求めた。こういった場合、彼はさらに冷酷で支配的になっていたようだ。

マードックは、オンラインでの豊富な製品販売経験を生かし、電子書籍の価格設定に対し言及しようと試みた。しかし、ジョブズが彼に与えたのはまさに最後通告。 Appleと協力し、お互いに利益を生み出すのか、またはAmazonに固執し、短期的な利益を得て、長期的に失速していくか…。

「私はAmazonから手を引こう。しかし、顧客は電子書籍を買うすべを失い、盗みを働くかもしれない。それが海賊版や違法ダウンロードの始まりとなり、止めることはできなくなる。信じて欲しい。私は、自分の目でそれを見たのだ。
もしかしたら、何かを見落としているかもしれない。でも、私には、この他の選択肢は思い浮かばない。そのくらい、あなたも真剣に考えているだろうか?」

ジョブズがこのメールを日曜日に送信した直後、HarperCollinsはAppleと契約を結んだ。それは、世界初のiPadが発表される、わずか前日の火曜日であった。
これが、ジョブズの圧倒的な交渉力が可能にした、歴史的契約の一幕だ。

Licensed material used with permission by Elite Daily

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