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地方農家応援ウェブサービスの好例「りんご侍」が生産者に信頼される理由

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りんごのおいしい季節がやってきますな。

おいしいだけでなく健康にもよろしいりんごなので、できるだけいいものを食べたい。信頼できるものを買いたい。できれば家に届けてほしい。

で、ここでちょっと注目なのが青森をメインとしたりんご専門サイトがある。

その名も「りんご侍」という。

 

りんごとりんご加工品しか扱っていない徹底したワンコンテンツ主義と生産農家紹介の分厚さが目立つ特徴だ。

あれもこれもと欲張ってないコンテンツ作りがわかりやすい。

わかりやすいの大事。

りんご農家からの直送だけでなく、木のオーナー制度、りんごジュースやジャム、おかしなどの関連商品も扱っている充実っぷり。

青森りんご農家を応援し、おいしいりんごを全国に届けるという意気や良し。

賛同の意を示すためにさっそくオーダーしてみたぞ。

 

注文したのは、「つがる」(釈迦のりんご園)と「スイートメロディ」(吹田りんご園)だ。

りんご侍はサイトの構成が考えられており、品種で選べたり、農家ごとで探せたりする。品種も甘味/酸味などの味の傾向やシーズン順にソートされているので名前でピンと来なくても安心。

ポチっとな。

 

すぐに届いたりんご2箱!

 

こっちがつがる

 

こっちがスイートメロディ

どっちもいいモノよ♪

 

つがるは真っ赤でぴかぴかしてる。

 

スイートメロディは黄色くていい香り。

 

サイトにある紹介によると、スイートメロディはほとんど市場に出回らない品種だというではないか。スーパーなどでは買いにくい珍しいりんごが生産農家直送で買える。もちろんコンディションが良い。

 

矢も盾もたまらず、さっそく食べてみるぜ。

 

スイートメロディは黄色のりんごらしく、香りがよろしい。青りんごの香りってすげーいいじゃん。で、りんご独特のあのカリッという歯ごたえとともに甘い果汁がいらっしゃいまして、すばらしい。これこれ、りんごに望むテイストはこれ。

 

つがるはみなさんお馴染みではないか。

さくりと軽い歯ざわりで酸味と甘みのバランスがとれている優等生。

こんなに真っ赤に熟したりんごが9月のアタマには配送してもらえるとは、生産者直送ってありがたい。

 

知恵の実を食べたのでちょっと考えちゃった

昨今のゆるキャラブームの背景には、地方の活性を高めなくてはならないという世間の要請が隠れている。長引く不景気の中、地方の農産物や海産物と都会の消費者の間をつなぐ仕組みの必要性が語られて久しい。

お金と商品が元気よくガンガン回ってる状態は畢竟、我々全員の懐具合に跳ね返ってくる。つまりそれは国内景気の向上を促すベクトルである。

 

そんなことを踏まえ、「りんご侍」を立ち上げた須藤公貴さんにお話をうかがった。

 

須藤さんは青森県出身。りんご侍は運営2年目に入っている。

須藤さんは25歳のときにIT企業を起こしたものの「地域に貢献したいという思い」が強くなり、今度はデータだけではなく実体のあるものを扱いたい、できれば故郷の青森に貢献したい……そんな思いを抱いていたところ、故郷にいる仲間の多くがリンゴ農家をやっていることに気がついた。青森のりんごをネットで販売するサービスをやるアイデアが出てくるのは必然であった。

サイトでは農家の情報を多めにした。働いている人を見せたいので、りんご作りでこだわってるところや従事している人たちの様子をフィーチャー。大手マーケットサイトと違う見せ方になり、サイトの個性が出た。

りんご侍にはいま30軒の農家が登録されている。そこには青森のJAにいたことがある社員の活躍があった。

 


青森県黒石市の前市長・鳴海広道さんと。 

いまはどこの自治体でも生産者でも、自分のところの農産物や水産物を知ってもらい、買ってもらうシステム作りの必要性を強く感じており、焦りにも似た試行錯誤の段階にある。

 

地方と消費地を結ぶ、似たようなサービスを考えている人に向けてのアドバイスをうかがうと、須藤さんはご自分の経験に照らしてヒントをくれた。

地方に目を向けたサービスは時間とお金と勇気が必要で、生産者はプライドを持って仕事をしており、すなわち頑固なところがある。生産者の信頼を得て仲間になってもらうには本気を感じてもらう必要があるという。

 

須藤さんの場合は、まずは前の会社をある信頼のできる方に売却したうえで、地元青森に会社を作り、この場所で一緒にやっていく覚悟を見せたのだという。

東京から来たよくわからん会社が自分たちの農産物を利用してちょろっと儲けようとしている」と思われないために、誠意と勇気が必要なのである。

 

やってみて初めてわかったこと

りんご侍をやってみてわかったこととして、健康を意識している人がりんごを多く購入する傾向にあるという。生産農家を表に出したことで信頼を勝ち得たのかもしれない。

 

今後は、りんご以外の果物のサイトなど横への展開を考えているとのこと。ほかの「なんとか侍」ができるかもしれないということですな。

10月からはりんごの品種も増えていくので、おいしいりんごをコンディションのいい状態で欲しい人は要チェックであろう。家庭用、贈答用のほかに、お試しの少量パッケージもある。珍しい品種をちょっと食べてみたいならコレですな。

もちろんりんご加工品もたくさん。カネショウのはちみつりんご酢は個人的に長らく買っているほど、おいしい。炭酸水で割るとすげえ美味いんです。

 

お店情報

りんご侍

 

書いた人:鷲谷憲樹

43歳フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。使っているPCはMacintosh。好きなビートルズのメンバーはジョン。 Twitter :@nwashy

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