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本田望結語る演技論 台本1冊丸覚え、台詞は言い方の理由考察

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 ドラマ『家政婦のミタ』をはじめ、映画やCMなど幅広く活動する一方、フィギュアスケートの才能でも注目が集まる本田望結(11才)。9月19日公開の映画『ポプラの秋』で初主演を務めた彼女が、大女優・中村玉緒との共演や「演技論」について語ってくれた。

――『ポプラの秋』では、大好きだったお父さんを亡くし、抜け殻になった母親と生活するという難しい役でした。大森研一監督からはどんなことを言われましたか?

本田:「好きなようにしてください」と言われました。私が思っていた星野千秋ちゃんと大森監督さんが考えていた千秋ちゃんが一緒だったんです。監督さんは「望結ちゃんが台本をいっぱい読んでくれたから」とおっしゃってくださいました。いつも(役柄)は台本を何回も何回も読んでいるうちに浮かんでくるんですけど、今回はすぐにフワッと、「こんな感じがいいんじゃないかな」と浮かんできました。

――この映画では何回くらい読んだんですか?

本田:何度も何度も読みました。もう台本が破れちゃうくらい、ぐちゃぐちゃになるくらい読みました。

――いつ台本を読んでいるんですか?

本田:(関西の自宅から東京へ通う)新幹線の中とか、フィギュアスケート(練習)の休憩の時間に読んだりします。

――台詞は読んでいるうちに覚えちゃうんですか?

本田:そうです。だから読みながら勝手に泣いてたりとか、勝手ににめちゃくちゃ爆笑してたりとか、ニコニコしたり。そうなっていくうちに、早く撮影したいという気持ちが高まってくるし、この映画の台本だと飛騨高山(編集部注:今回の撮影地)に行きたいなーって思いました。

――台詞は声に出して練習はしないんですか?

本田:します。声に出さないと感情が伝わってこないので。何度も読んで声に出して練習します。普通の本とかでも声に出しますよ。でも、台本を読む時は小さい声です。そうにしないとみんなに中身がバレちゃうので。時間があれば電車の中でも、台本にカバーをして。みんなにわからないように読んでいます。

――共演した中村玉緒さんの台詞も?

本田:はい、台本は全部の台詞を覚えるんですよ。丸暗記しています。自分の所だけを覚えてもやっぱりその子の感情がわからないので、全部覚えます。

――台詞は全部覚えて撮影に入るんですか?

本田:はい。どこのシーンを急に撮ることになっても大丈夫なように。台本を全部通して読んでいるとおかしいな、というときがあります。「監督、この次のシーンは(千秋が)いきなり明るすぎるんじゃないですか」とか、「ここの『なになにだよね』というのを『ですよね』にしたほうがいいんじゃないですか。ここは(ほとんど面識のない)おばあさんに対してまだドキドキ感があってもいいんじゃないですか」とか。そういうことを質問したりとか、するためには、台本を読まないとできないのでたくさん読みます。

――監督にそう言って、実際台詞が変わったことはありましたか?

本田:今回は「好きにしていい」だったので、「望結ちゃんの思う通りにお願いします」という感じでした(笑い)。やりやすくもあったんですけど、「これでいいのかな」という不安もあったりとか。台詞そのものではなくて、どういう言い方で言ったらいいのかって。例えば、「なになにだよね」という言い方も、ささやくように静かに言うのと明るく言うのとでは全然違います。緊張して言ったり、聞いているか聞いていないかわからないように「なになにだよねー」と軽く言ったりもできますし。

 たくさんの言い方があるけど、悲しい言い方と淋しい言い方とつらい言い方は全部違うし、うれしい言い方と楽しい言い方も違うし。泣くシーンでもどう泣けばいいのか、とか。台本には「涙が落ちる」という言い方があっても、そういうのはどう落ちていくのかを考えました。撮影でいきなり台詞を言ってもダメなので。その言い方に理由がないと。

――この映画だけでなく、他の作品でもそうなんですか?

本田:もちろんです。映画でもドラマでも全部の作品で同じようにやります。

――これまで多くの役をやってきたと思いますが、役づくりのコツはあるんですか?

本田:台本を何度も読むことです。1回読んでわかるのと、2回読んでわかるのと、3回読んでわかるのと、10回読んでわかるのは全然違うし。読むだけじゃなくて、見るのもそうだし、今回は原作も読ませてもらいました。原作では少年が主人公なので、「どうして(映画は)少女なのかな」と考えたりとかもしました。

――今までに一番台本を読んだ作品は?

本田:どの役もわかるまで台本を読みます。だから読んだ数は全然数えてないし、何回でできたからすごいとかもないし。わかっても次もう一回読んだらやっぱりこれ違うな、というのもあったり。

――今回共演した中村玉緒さんから学んだことは?

本田:中村玉緒さんから言ってもらった言葉があるんですけど、「女優さんっていうのは、本田望結じゃない人になる。それが女優さん。そして、怖い役をしたら『この人怖い』と思われるのが女優さんだから、誰かに好かれようとかそういうのを考えるんじゃないよ」と教えてもらいました。

――勉強と女優とスケートと、どういうバランスでしているんですか?

本田:今日は何時にこれをするから何時にこれをしよう、しなきゃダメというスケジュールは立てないので、時間があればやる感じです。お弁当を食べたいと思ったら食べるし、今このジャンプをもう一回やっておかなければダメだなと思ったらもう一回練習します。だから全部楽しくやれます。スケートの練習は時間があれば毎日。1回6~7時間くらいやっています。

――このお仕事をしていて良かったことは?

本田:やっぱりたくさんの方とお会いできるし。フィギュアスケートとお芝居と学校をやっていく上で、学校とフィギュアスケートの表現力の2つは、お芝居とつながりがある。フィギュアスケートで習ったことがお芝居に活かされることがあったり、お芝居の演技力がフィギュアスケートの表現力につながるので。

――将来はフィギュアスケートの選手と女優さんとどちらの方向へ?

本田:どっちも頑張りたい。大きくなったら決めるときがあると思うんですけど。よく「オリンピック出る?」とか聞かれます。でも、「オリンピックに出る」とか「この番組に出たい」と言ってそうなるわけではないので。「オリンピックに出て金メダルを取りたい」と言える実力ではないので、言えるようになるのが今の目標、夢です。

 女優さんとしては、自分にしかできない役ができるように頑張ります。今後やってみたい役は、怖い役です。例えば、警察の役をやったことがあるんですけど、警察につかまっちゃうような悪い役とかやったことがないのでやってみたいです。

【本田望結】

2004年6月1日生まれ。京都府出身。4才の頃から数多くのCMやドラマに出演。2011年、希衣ちゃん役で出演したドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)で注目される。ドラマ『フィギュアスケート靴の約束~名古屋女子フィギュア物語~』では、女優業同様に力を入れるフィギュアスケートが活きた。主な映画出演作に、『きいろいゾウ』(2012年)、『コドモ警察』(2013年)など。次回作は12月公開予定の山田洋次監督『母と暮せば』。  

◇ポプラの秋

湯本香樹実のロングセラー小説を、本田望結と中村玉緒で映画化。大好きだった父を突然亡くした8才の千秋(本田望結)は、生きる力を失った母(大塚寧々)とともに引っ越したポプラ荘で、大家のおばあさん(中村玉緒)と出会う。「自分は亡くなった人に手紙を届けることができる」というおばあさんの言葉を信じた千秋は、父に伝えたかったあふれる思いを手紙に綴るようになる。9月19日からシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー。

撮影■林紘輝


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