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第24回 飲食事情(その1)

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第24回 飲食事情(その1)

 拘置所、特に刑務所併設の拘置所や刑務所は「炊場」と言われる工場で受刑者が食事を作っているためか、うまいというほどではないにしても世間並の食事を摂ることができる。
 これに対して警察留置場の食事は三度三度弁当となる。もちろん、留置場も拘置所も未決であるから、いわゆる自弁ということで、自腹をきってより良い食事をすることは可能である。
 その自弁はさておいて通常の飲食内容はどのようなものだろうか。留置場と拘置所(刑務所も同じ)における飲食事情を何回かに分けて書いていく。

 留置場の朝食は漬物が変わるだけで、あとはすべて毎朝一緒の仕出し弁当である。
 宮崎北警察署では、大学ノート半分ほどの大きさのプラスチック製朱色の弁当箱に通常の茶碗にして1杯くらいの白米が入っていて、真ん中に少々の黒ゴマが振ってある。その片隅には漬物が3~4切れ入っている。これに、直径高さ共に10センチの円筒状のやはりプラスチック製朱色の容器に入ったみそ汁がついてくる。

 これらは、前に書いた出し入れ口から一つづつ入れられる。3人部屋なら6回に分けて入ってくることになる。それと別にお茶が配られる。味噌汁の中身は毎度くず野菜だ。
 この朝食は非常に評判が悪い。毎食一緒で変わり映えがしないということもあるが、とにかくマズイ。白米は水分が多くてべちょべちょ状態、みそ汁は薄くて、しかも冷え切っているからである。
 漬物は時々変更されるが、それでも沢庵か青色柴漬けまたは赤色柴漬けのいずれかでしかない。わかっていながらも、またこれかと言いつつ溜息を出しながら食事が始まる。

 たまに、くず野菜に交じって1センチ立法の豆腐が紛れ込んでいることがあるが、宝物であるかのように喜ぶ者もいる。前の晩の夕食に麻婆豆腐が出ると、翌日の朝食に豆腐が入っていることが多いことから、仕出し屋は中華料理店で、野菜炒め等に使用した残りのくず野菜を使っているんだとの噂が流れていた。あくまでも噂である。

 昼食と夕食はそれぞれ5種類で、これが順番に出てくる。5種類しかないので、メニューを書いておく。
 昼食は「あじフライ、赤ウインナー、三日月形のオムレツ、ポテトサラダ」、「コロッケ、餃子、里芋とがんもどきの煮つけ、ブロッコリーサラダ」、「さば味噌煮、れんこん揚げ、ハムカツ、赤かぶの漬物」、「白身魚のフライ、ハンバーグ小、大根と人参の煮つけ、サラダ」、「クリームシチュー、肉団子、豚肉天」である。
 夕食は「さばの煮つけ、ちくわ、春雨麻婆煮、クリームコロッケ」、「チキンカツカレー、成型肉ハンバーグ、付合せ」、「鳥手羽の醤油煮つけ、麻婆豆腐、たまご焼き」、「ハヤシライス、焼売、コロッケ」、「コロッケ、餃子、さつま揚げ」の5種類となっている。

 起訴されるまでの捜査段階の被疑者は、二泊三日の留置期間とその後の原則10日間の勾留、例外としての延長の10日間、しかし実務上は延長も原則だから合計23日間は留置場にいる。そして、移監されない限りそれ以上の期間を留置場で暮らすことになるのだが、5種類の食事が繰り返されるのでは楽しみがない。
 食事、特に弁当は、何が入っているのかとわくわくしつつそれを開けるのがうれしいのであって、何が出てくるのかが分かっている弁当はつまらない。

 それでも、何もすることがない留置場では食事をすること自体が楽しみになってくる。私も、早く食事時間にならないのかと、食事が楽しみになっていって、我ながら情けないと思うことも多々あった。(つづく)

元記事

第24回 飲食事情(その1)

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