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Album Review:ロバート・グラスパーが監修、Ms.ローリン・ヒルが6曲で歌唱した“ニーナ・シモン・トリビュート盤”に施された現代的解釈とは?

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 波瀾万丈の生涯を生き、2003年に70歳で他界したシンガーのニーナ・シモン。彼女のドキュメンタリー映画『ニーナ・シモン~魂の歌~(原題:What Happened, Miss Simone?)』が、動画配信サービスNetflixにて、公開されている。この映画と連動した企画で、コンピレーション音源『ニーナ・リビジテッド…ア・トリビュート・トゥ・ニーナ・シモン』もリリースされた(日本盤は9月16日発売)。ロバート・グラスパーが監修し、優れた統一感をもって纏められたトリビュート・アルバムとなっている。

 なんと言っても、注目はMs.ローリン・ヒル名義の新音源が収録されていることだろう。当初、2曲で参加予定だったローリンは、結果的にアルバムの前半と後半にそれぞれ3曲ずつ、計6曲を提供している。税金を巡るトラブルなどがあり、新曲の発表自体が2013年の配信シングル「Consumerism」以来となる。アカペラで始まってビッグ・バンド風のアレンジが加わってくる「Feeling Good」はニーナ曲の忠実なアップデート版といった印象だが、「I’ve Got Life(Version)」では名曲「Ain’t Got No…I’ve Got Life」を大胆にサンプリングしたラップ・チューンとなっている。ローリン流のフューチャー・ゴスペルと化した「Black is the Color of My True Love’s Hair」は必聴だ。

 アルバムは、全体的にロバート・グラスパーによるモダンなジャズ/ヒップ・ホップ処理が施されており、ニーナの壮絶で唯一無二な人生をなぞるというよりも、ニーナのスピリットを継承しつつひとつの現代的な解釈を繰り広げる、といった印象。レイドバックしつつも物悲しい、メアリー・J・ブライジによる「Don’t Let Me Be Misunderstood」はその好例であり、グレゴリー・ポーターによる「Sinnerman」はソリッドなジャズ・ファンクとなっている。ジャズやゴスペル、R&Bにロックのカヴァーと多彩な楽曲を己の歌に変えたニーナだが、ジャズミン・サリヴァンはレゲエの「Baltimore」を取り上げていて面白い。「I Put A Spell On You」で強烈なインパクトを残すのはアリス・スミス。日本盤では、ボーナス・トラックとしてアンドラ・デイによる「Mississippi Goddam」のヒップホップ・ソウル解釈が添えられているのも嬉しい。

 なお、Ms.ローリン・ヒルは、9月22日・23日に豊洲で行われる【MTV presents SOUL CAMP 2015】(ローリンの出演は23日)、及びビルボードライブ東京(9月25日・27日)とビルボードライブ大阪(9月29日)の単独公演【BBL 8th Anniversary Premium Stage】で、実に8年ぶりの来日公演を行う予定だ。こちらもぜひお楽しみに。

〈Text:小池宏和〉

◎リリース情報
『ニーナ・リビジテッド…ア・トリビュート・トゥ・ニーナ・シモン』
2015/09/16 RELEASE
SICP-4519 2,592円(税込)

◎公演情報
【BBL 8th Anniversary Premium Stage Ms.ローリン・ヒル】
ビルボードライブ東京
2015年9月25日(金)、27日(日)
開場18:30/開演20:00 ※1日1ショー特別営業時間

ビルボードライブ大阪
2015年9月29日(火)
1st 開場17:30/開演18:30
2nd 開場20:30/開演21:30

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