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会社は「元社員による専門サービス」を有効活用すべし――管理部門出身者の「独立のススメ」(田代英治氏)

会社は「元社員による専門サービス」を有効活用すべし――管理部門出身者の「独立のススメ」(田代英治氏)

大手企業の採用が佳境となり、内定を得て喜びの声をあげている人もいるだろう。「これで生涯安泰だ」と胸をなでおろしているのかもしれない。その一方で、大手企業を辞めて転職したり独立したりして、新たなキャリアに踏み出す人もいる。

東京・虎ノ門で経営コンサルティング会社を営む田代英治氏は、元は大手海運会社のサラリーマンだったが、自分の価値観で仕事ができる世界を求めて独立したという。未来の自分の働き方を考えるうえで、参考になるのではないか。
「独立後も業務委託契約」で大手企業を退職

――田代さんは独立される前、大手海運会社に20年間勤務していたそうですが、どのような経緯で退職されたのでしょうか。

田代 人事異動で2回目の人事部を担当したとき、「この仕事をこの先も続けたい」と考えました。海運会社では数年置きに異動があり、いつ海外に行くかも分からない。組織内の出世に対するプレッシャーもある。もちろん若い頃はそのつもりで入社しましたが、考えが変わったと上司に相談すると、「独立してからも業務委託契約を結んで専門的なサービスを提供してくれてもいい」と言ってもらったのです。それから12年経ちますが、いまでは25社ほどの得意先を抱えつつ、古巣からの仕事も請け負っています。

――前職ともつながりがあるのですか。そういうケースはかなり珍しいのでは。

田代 当時の上司が柔軟で、理解ある方だったのが大きいと思います。実際、ある大手企業の人事部の方に私の経歴をお話ししたときには、「当社ではまず考えられませんね」と言われてしました(笑い)。日本企業の雇用は、業務で契約するジョブ型ではなく、仲間に入るメンバーシップ型。辞めると言った瞬間に縁を切られ、ときには「裏切り者」扱いをされるので、独立後に仕事でつながりを持つことが少ないのが現状です。

――具体的には、どのような仕事を引き受けているのですか。

田代 人事部が主管する「働き方見直し」など2つのプロジェクトのリーダーを務めています。他社のケースを経験し外部の視点を持った人間が助言することで、社員にはない付加価値を提供できるうえ、元社員なので会社の事情もよく分かっている。社員との人間関係も築けているので、仕事はやりやすいです。また1回目の人事部のときに社会保険労務士の資格を取っており、社内トラブルの相談も受けています。会社から問題社員の対応を相談されることもありますし、会社との中間の立場から社員の相談も受けています。
「オペレーション経験」が長いだけでは独立は難しい

――田代さんは近著『人事・総務・経理マンの年収を3倍にする独立術』(幻冬舎)の中で、企業に長く勤めてそれなりの専門知識を蓄えた人であるならば「独立はそれほど難しくない」と断言されています。しかし人事や総務、経理など管理部門の出身者は営業やエンジニアに比べ、つぶしが利かないというイメージがあります。

田代 確かに会社独自の仕事のやり方や専門用語の違いもありますが、どの会社にでもある仕事ですし共通点も多いです。大手であればすべての仕事を社員だけで行う会社もないですし、独立によるチャンスは少なくないと思います。私も独立1年目こそ収入が半減しましたが、いまではサラリーマン時代の3倍に増えました。
理想的には業務の専門性を高めるためにも、独立前に転職して複数の会社を経験しておいた方がよいでしょう。メンバーシップ雇用の問題はありますが、ジョブで見れば複数の会社の人事畑を渡り歩くキャリアがあってもいいはずですし、外資系企業やホテル業界などでは当たり前のことです。

――とはいえ、単に在籍が長ければいいというわけではないですよね。

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