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ネット依存の子供への対処法「おはよう」などの声かけが重要

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 東京未来大学・こども心理学部部長の出口保行さんへのお悩み相談コーナー。今回は、一日中ネットばかりしている娘を持った北海道の女性・智恵さん(48才)からの相談です。

【相談】
 部屋でネットをひんぱんにしていた娘が、大学に行かなくなり、一日中パソコンに向かいっぱなしに。昼夜逆転というか、時間の感覚が麻痺しているようです。注意すればするほど部屋にこもってしまうのです。どうしたらこの状態から抜け出せるでしょうか。

【解説】
 自分の部屋に閉じこもってネットばかりしている娘さん。学校も行かなくなり、母親としては心配で、いてもたってもいられませんよね。

 たぶん娘さんは“ネット依存”になっていると思います。依存といっても、薬物、アルコールなどは、それを体に摂取することによって起こる変化に依存していきます。こちらは医療や刑罰モデルの中で断つ方法が確立されていますから対処のしようがあります。

 しかし同じ依存でも、ネットやテレビショッピングなどは、断ち切る方法論が明確でないので、どう対処していいのかわからないのが現状です。

 さらにやっかいなのは、これらの依存は、何をもってそれがいけないか、一概にいい切れない部分があることです。

「引きこもりだけど、社会とはつながりたいからネットで接点を持っています。それがいけないことですか?」と聞かれたら、「そうでもない」となりますから。

 もちろん、犯罪や働きもしないでこもっているなら、「働きなさい」と言えるけど、人に迷惑をかけていない。いわゆる、自傷他害がこれらの依存には基本的にないのです。

 このタイプは人とのコミュニケーションを遮断した中で世界とつながっていることに安心感を持っている。さらに、自分の問題点を自身で客観視することが難しい人たちです。

 社会で生きていくためにはコミュニケーション能力が必要だし、ネットを介さなくても、社会と自分がつながらなくてはいけないことに気づいてもらう必要があります。

【対策】
 依存気質の人は、人の評価を極端に気にするので、人づきあいが苦手になるのです。さらに、人から評価されることにも敏感なため、すぐ「どうせ自分はだめなんだ」となる。自尊心が低いのです。

 ネットやテレビショッピングをしているときは人の評価を気にしなくていいから、いきいきしていられる。その快感で、生活破綻までエスカレートしてしまう傾向があるのも否めません。

 それが問題かどうかは、社会との接点を持っている、いないが、1つの判断材料です。では、智恵さんのように、依存者が家族にいる場合はどうしたらいいのか。

 重要なのは、ほかの家族があきらめないことです。なぜなら家族はいちばん小さな社会であり、まずはそこで実社会に出ていく訓練ができるからです。とにかくかかわることが大切なので、「おはよう」「ごはん食べよう」と、つねに声かけして見守ります。

 ほとんどが「外にいると嫌なことがある」が、依存した理由ですから、それを探します。これは家族にしかできません。年単位で時間がかかる、大変な作業ですが、あきらめてはいけないのです。

 医療関係や専門機関に行くのはいいのですが、他人任せにして下駄を預けるのは責任転嫁でしかなく、本人も「見捨てられた」と思ってしまう。そうなると改善は望めません。

 専門家に頼ったとしても、やはり他の家族がかかわりを持ち続けようとすることこそが必要なのです。

※女性セブン2015年9月25日号


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