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退去時のハウスクリーニング費用は支払う必要がありますか?

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Q.

 敷金は78,000円で、居住年数は3年5ヶ月、家の面積は約28m²です。このたび、退去することになり、ハウスクリーニング代を請求されています。金額は45,000円(内訳は1人工作業代:35,000円、床ワックス掛け:10,000円)です。入居時に特約としてクリーニング費用を支払うことを契約しています。質問ですが、そもそもクリーニング代が高すぎるのではないかと思います。また、クリーニングは原状回復費というよりは次の入居者のための費用というものだと思います。私が支払う必要があるでしょうか?費用対効果があえば、少額訴訟を活用して支払いを拒絶しようと考えていますが可能でしょうか?

(20代:男性)

A.

 敷金の法的性質は、賃貸人が賃借人に対して賃貸借契約成立から明渡しまでに生じる損害を担保するためのものであり、損害である未払賃料があれば相殺の意思表示を待つことなく当然に充当されるものです(参照:大判大正15年7月12日)。
 また、原状回復費用は基本的に賃貸人側の負担すべきものであるとされます。

 したがって、退去時にハウスクリーニング代を請求されたり、敷金から差し引くなどのことをした場合、純粋に法律的視点で考えれば返還請求が可能です。具体的には、民法703条に基づく、不当利得返還請求が可能と考えます。
 これは法律上の原因(たとえば契約があるなど)がなく、お金を支払った場合、原因がないのだから返してくれ、と請求するものです。

 もっとも、上記は原則です。例外的に、クリーニング代や原状回復費などを退去時に支払う旨の「特約(付加的な契約条項)」があれば、法律の原因があるわけですから、その金額が不当に高額でない限り、支払わなければならないとされるのが実務上の運用です(参照:最判平成23年3月24日)。

 現在、賃貸物件の原状回復費にまつわるトラブルが多いため、「東京ルール」というものが不動産賃貸の業界では一般化しつつあります。
 こちらでも、原則として敷金は不払い家賃の補償のためであり、特約があった場合のみ支払い義務があるとされています。
 そのため、入居時の契約内容はしっかりチェックすることが肝要です(参考:賃貸住宅トラブル防止ガイドライン)
 今回のケースでは、残念ながら特約があるため支払い義務を負うことになります。少額訴訟をしても勝てる見込みは少ないとお考えいただいたほうがよいのではないかと思われます。

 ただ、今回ご指摘されているハウスクリーニングの代金はやや高い印象を受けます。特約に賃貸人指定のクリーニング事業者を使う旨などの規定がなければ、ご相談者様でクリーニングの見積もりを取得した上で、「この清掃項目、内容、金額でこの業者にお願いしてもらえないか?」と打診してみてはいかがでしょうか?
 価格の妥当性についての検討材料となりますし、交渉手段としてはある程度有効ではないかと思われます。

元記事

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