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【イベント・レポート】〈ワーハピ〉“快適さ”にこだわった野外フェス

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音楽フェスティバル〈WORLD HAPPINESS 2015〉が8月23日、夢の島公園陸上競技場にて行われた。同イベントは今年で8回目の開催を迎える。

〈ワーハピ〉は出演者のキュレーションを高橋幸宏が務めており、今年は全13組のアクトがラインナップ。トップバッターとして登場したTRICERATOPSをはじめ、クラムボン、スチャダラパー、LOVE PSYCHEDELICOから、坂本真綾、筋肉少女帯、SCANDAL、Charisma.comまで、そしてヘッドライナーのMETAFIVE(高橋幸宏 × 小山田圭吾 × 砂原良徳 × TOWA TEI × ゴンドウトモヒコ × LEO今井)など、実にバラエティーに富んだ出演者がパフォーマンスを行った。

新人から大ベテランまでもが参加、またここでしか観ることができないセッションの実現といった特色のほか、快適さや親子連れでも楽しめるという点をコンセプトとして掲げる〈ワーハピ〉。ここでは、今回実際に会場に足を運んだことで見えたこだわりや、その当日の模様をお届けする。

快適さという点で、まず最初に驚かされたのが、駅からフェス会場の距離の近さだ。〈ワーハピ〉は開催当初から、東京都新木場にある夢の島公園陸上競技場を舞台としているのだが、ここが駅から約徒歩5分ほどの場所にある。そのうえ豊かな自然に囲まれており、野外フェスとしては申し分のない会場だ。

会場の入り口ゲートを抜けると、うちわやタイムテーブルのほかに、山本耀司による同フェスのメイン・ヴィジュアルが印刷されたレジャー・シートが手渡される。いくつかのブロックに分けられた客席は全面が芝生に覆われており、そこにお客さんは渡されたシートを広げ、ライヴを鑑賞することとなる。野外フェスというよりかは、ハイキングに来たかのようなほのぼのとした光景が見られたのが印象的だ。またキッズスペースとして、小さな子どもが遊べるボールプールが設置されたり、工作教室など、子供を対象としたワークショップのテントが4~5つ用意されており、親子連れの方々に向けた配慮が感じられた。

正午を過ぎ、ついにライヴがスタート。トップバッターとしてTRICERATOPSが登場。途中のMCでは「家のリビングでテレビを見ながらオシャレなフェスだな、いつか呼んでくれるかなと思ってました。それが2015年ついに叶いました。幸宏さん、ありがとう!」と感謝を告げ、最後に「Raspberry」を披露した。〈ワーハピ〉はメインである「CENTER STAGE」の隣に「LEFT STAGE」が設けられた2ステージ制となっており、転換の時間もなく交互にそれぞれのライヴが進んでいく。続いてCharisma.comがパフォーマンスを行った。

天気には恵まれたものの、かなり日差しが強かった会場にサッと涼し気な風を吹かせたのは、4番手として登場した野宮真貴 with カジヒデキだった。アコースティック・ギターを手にしたカジヒデキの横で、野宮真貴が1曲目「東京は夜の七時」を歌い始めると、会場からは大きな歓声が巻き起こる。「元祖渋谷系と言われた私と最後の渋谷系と言われたカジくん」と笑いながら自己紹介し「夢の島に渋谷の風を」と、その後も小沢健二の楽曲「ぼくらが旅に出る理由」のカヴァーなどを演奏した。

曇り空が広がり、熱さも落ち着いてきた会場の雰囲気を筋肉少女帯がガラリと変える。「お招きいただいて意味がわかりません。ものすごいアウェイ感だぜ!」と叫びながら、重厚なサウンドで会場を沸かしていく。MCでは、ヴォーカルの大槻ケンヂが、かつてベースの内田、ケラリーノ・サンドロヴィッチと組んでいたユニット「空手バカボン」に触れ、「YMOのライディーンに勝手に歌詞付けて歌い、レコードにして売ってました。すみません!」と、ステージ上から高橋幸宏へ向け謝罪し、会場からは大きな笑いが起こる。すると続いて披露した「日本印度化計画」の途中で、「粋なワーハピさんの計らいで封印が解けることになりました」と、そのライディーンの替え歌「来るべき世界」を盛り込み、この日1番の盛り上がりを見せた。

日が暮れ始めるころにLOVE PSYCHEDELICOが登場。なんとこの日のドラマーは今年の全国ツアーも一緒にサポート・メンバーとして一緒に回った高橋幸宏。6年前、LOVE PSYCHEDELICOが初めて〈ワーハピ〉に出演した際に、高橋のパフォーマンスを目にし「いつかこの人と一緒にセッションすることができたらなぁと」と感じたことを明かし、それが実現できたことに喜びを見せていた。また続いて登場したクラムボンも〈ワーハピ〉ならではセットリストでライヴに臨む。「シカゴ」や「サラウンド」というおなじみの曲を演奏したあと「2~3回しかやったことない曲」とYMOの「以心電信」カヴァーを披露。ミトは「この曲がすごい好きで。まさかこれを幸宏さんの前でやれるとは。感無量です」と語った。

そして完全にあたりも暗くなり、ついにトリであるMETAFIVEが登場。まだバンド名に馴染みのない方がいるかも知れないが、METAFIVEは高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井という豪華なメンバーからなるバンドだ。この日のステージでも高橋が「こんなに続くと思ってなかった」と話したように、当初は2014年にEX-THEATERで開催された〈テクノリサイタル〉のための一夜限りの結成であった。しかしバンドは、昨年の〈ワーハピ〉にも出演するなど活動を続けており、この日のMCのなかで、METAFIVEがアルバムを製作中であり、またワンマンを予定していることが高橋の口から告げられる。もちろん会場からは一際大きな歓声が上がった。

ライヴの中盤には、Controversial Sparkとして出演していた鈴木慶一がギターを手に登場し「No Way Out」をコラボレーション。その後は、この日のステージ冒頭に高橋が「新曲もいっぱいやるよ」と話した通り、レオ今井がヴォーカルを務め、デジタル・サウンドとソリッドなギターが組み合わさった「Don’t Move」や「Maisie’s Avenue」といった新曲が披露された。終盤にはステージに水原佑果を呼び込み、今年TOWA TEIがリリースしたアルバムより、水原や高橋をはじめとしたMETAFIVEメンバーも参加している「LUV PANDEMIC」をパフォーマンスし、本編は終了。アンコールの声に応え、再びMETAFIVEメンバーが登場すると、土屋昌巳を呼び込み、7人で「Cue」を披露。こうして約8時間に及んだ〈WORLD HAPPINESS 2015〉は幕を閉じたのだった。

この日の1日を通して、とりわけ印象的だったのが、どのアクトもステージ上でこのフェスに招かれたことに対して、大きな感謝を告げていた点だ。それは高橋幸宏というミュージシャンに対するリスペクトの表れであり、彼がキュレーターであるということが、この日の筋肉少女帯やクラムボン、LOVE PSYCHEDELICOが披露した楽曲や、そのステージングをいつもと違うものにしていた。さらにアーティスト同士のコラボレーションなども活発に行われ、こうした点が〈ワーハピ〉ならではの魅力と言えるのではないだろうか。

また、このようなフェスティバルを快適に楽しめるのがなによりだ。実際にこの日は、ざっと見渡しただけでも、親子連れの割合が高く「家族で音楽を楽しむ場」としてのイメージが定着しつつあるように感じた。今年で開催8年目を迎え、これからもますます注目を集めていくだろう〈WORLD HAPPINESS〉。ぜひ来年は家族でも、そうじゃない人たちも、ゆったりと〈ワーハピ〉に遊びに行ってはいかがだろうか。(鶯巣大介)

・〈WORLD HAPPINESS 2015〉オフィシャル・サイト
http://world-happiness.com

・〈WORLD HAPPINESS 2015〉特集ページ 高橋幸宏インタビュー (OTOTOY)
http://ototoy.jp/feature/2015062905

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