高くそびえる「二人目の壁」。第二子を求める夫婦が考えるべき家計管理術

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高くそびえる「二人目の壁」。第二子を求める夫婦が考えるべき家計管理術

子ども1人の夫婦80%が、2人目の出産をためらっている

一般財団法人「ワンモアベビー応援団」の調査によると、2人以上の子どもが欲しいと考えている夫婦が、子ども一人の夫婦で69%、子どものいない夫婦でも63%という結果が出ました。しかし、子ども1人の夫婦80%が、2人目の出産をためらっているという現実があります。理由(複数回答)として最も多くの割合を占めたのが「経済的な理由」で、その数値は83%と突出しています。

現実的な問題として、お金の面での壁は高く感じられます。子どもが誕生すれば、食費、衣服費、衛生費などの子育て生活費用のほか、教育資金の準備も必要となり、将来に向けた収入面の不安、支出面の不安を改善することが求められます。

両親の援助を求めるのも視野に入れるべき

夫婦共働きの場合、徐々に収入が増える可能性はあるものの、収入の大幅増加が期待できず、2人目を妊娠後に収入が減ることへの不安もあります。また、片働きで子どもが1人の場合も当面の収入を増やすことは難しく、その局面で2人目の出産を考えた際、さらなる支出増の不安が高まります。それでも、できることからコツコツと取り組んでおく必要があるでしょう。

具体的には、育児休業中、専業主婦である場合には、育児の合間に可能な範囲で将来の仕事に生かせる資格取得を目指したり、興味があればという前提で、少額から投資に取り組んでみるのも一つの方法です。また、両親の援助を求めるのも視野に入れるべきです。今年4月から「結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税措置」が創設されました。これは、平成31年3月までに父母、祖父母が20歳以上50歳未満の子の子育て資金に充てる目的で金融機関に信託等をした場合、受贈者1人につき1千万円まで贈与税が非課税となる制度です。

また、父母、祖父母等が30歳未満の子、孫の教育資金に充てるため、金融機関に信託等をした場合は受贈者1人につき1,500万円まで贈与税が非課税となります。これらの援助は、祖父母等に経済力があることが前提であるため必ず利用できるとは限りませんが、子育て・教育資金への不安が大きいようであれば、相談を持ちかけてみてはいかがでしょうか。

お金がかからなくても楽しめる環境を整える

一方、支出の面で考えれば、出産した時点で独身時代のお金の使い方をゼロから見直してみることをお勧めします。今後、子育てをしていくため、優先順位が低い支出を減らしたり、見直したりすることで子育て資金、教育資金を捻出してみましょう。1つの目安として、幼稚園から高校までの15年間でかかる教育費(学校外教育費を含む)は、オール公立の場合で500万円。1カ月換算で2万8千円。生活費も別途必要ですが、この資金を安定的、継続的に確保しましょう。

2人目を考えつつも、家計に不安を抱えている家庭であれば、子どもが小さいうちから過剰に衣服やおもちゃ、習い事にお金をかけすぎないことも大切です。小さいうちにかけたお金について親は満足するかもしれませんが、子どもは覚えていません。子どもが小さいときに過剰にお金をかけるよりも、子どもが進学するときや人生の大きな決断をするときに援助する方が、将来的に子どもに負担をかけずに済みます。

また、子育てにおいて、できるだけお金をかけずに、手間をかけるのも1つの方法です。一緒に勉強する、図書館やレンタルを利用する、中古品を購入するなど、お金がかからなくても楽しめる環境を整えることで、2人目への不安も小さくなるのではないでしょうか。まずは試してみて、自分たちに適したお金の使い方を見つけ、2人目への不安が小さくできる仕組みを作ってみましょう。

(益山 真一/ファイナンシャルプランナー)

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