唐揚げの味変、いろいろ試してみたらこうなった
スーパーのお惣菜コーナーでも、幕の内弁当でも、コンビニのレジ横にある揚げ物コーナーでも、そして居酒屋などアルコールを出す店でも、共通して置かれている料理といえば鳥の唐揚げ。学校給食でも唐揚げはあるし、会社員のランチでも「唐揚げ定食」は定番メニューですよね。唐揚げ、どんだけ愛されてるんだ。
この幼い子どもから酒豪のおっさんまで幅広く支持を得ている唐揚げ、たまにはほんのひと手間だけ加えて「味変」してみませんか。とはいえ、誰もが自宅で唐揚げを作るとは限らないので、衣に味を付けるという方法は却下。
ということで、唐揚げの上にソース的なものを乗せる方向でいろいろやってみました。
ソースを手作りするのは面倒という人もいるでしょうから、基本的にはたいていのスーパーで買えそうなもので味変してみましたよ。
タルタルソースやカレー風味マヨネーズ、スイートチリソースなど、すでにメジャーなものは除外するとして、結果はご覧のとおりです。
唐揚げどーん。いざ!
大根おろし&ポン酢
ファミレスのメニューでもよく見かけますが、麺つゆではなくポン酢というところがポイントです。ポン酢はメーカーによってかなり味に差がありますが、個人的にはこの「ゆずか」が一押し。まろやかな酸味で、値段も300円程度と良心的です。私はずっとポン酢が苦手だったのですが、友人にゆずかを教えてもらってから、ポン酢が苦手なんじゃなくてそれまで使っていたポン酢の味が苦手だったのだと知りました。余談ですみません、ポン酢じゃなくて唐揚げの話ですね。
唐揚げと大根おろしの比率を1:1くらいにして、ポン酢もだばっとかける。あ、ゆずかならね。ほかのメーカーだと酸味がきつくなりすぎるかもしれないので、そこは加減してください。
「唐揚げと大根おろしとポン酢とそれぞれの味が見事に溶け合って、いっそ何食べてるのかわからないほど」というのは大げさですが、この3点セットのマリアージュは見事です。醤油や麺つゆじゃなくてポン酢(しつこいけどゆずか)がいい仲介役をしているのです。大根おろしたっぷりという点も、揚げ物を食べているという背徳感をやわらげてくれます。これはおすすめです。ぎりぎりメジャーに分類されてしまうかもしれませんが、紹介せずにはいられないおいしさです。
ナムル盛り合わせ
ナムルって意外でしょう。でもスーパーの総菜コーナーであれこれ物色していて、これはいけるんじゃないかと思いました。案の定、ほうれん草のナムルは、唐揚げと和えたメニューがあってもいいんじゃないかってほど相性よかったです。
唐揚げ&もやしは悪くはないですが、それなら唐揚げ&もやし&ほうれん草という三つ巴のほうが味に安定感がありました。
ゼンマイはちょっと微妙。無理に唐揚げの上に乗せる必要ないか、って感じです。
大根は、大根おろし&ポン酢だとあれほどおいしいのに、カクテキ風味だとなぜか今ひとつでした。キムチ独特の酸味が、唐揚げに融合しようとしないんですよ。ポン酢の酸味は合うのに不思議です。
ブルーチーズディップソース
こんな便利なの売ってるんですね。もっと早くに知りたかったです。
ブルーチーズがたらりとかかると、デカ盛りメニューの常連もある唐揚げが、突然フレンチっぽく変異しました。味はもちろん美味。ブルーチーズといっても万人受けするようにでしょう、独特の風味はかなり抑えられています。これ、普通においしいです。ある意味期待通り、驚きはないけれど裏切りもない味でした。
かけるトマト
知ってました? こんなのも売ってるんですよ。少量のトマトソース作る手間を考えると、あってうれしい商品です。通常のトマトソースよりトマトがごろりと固形で残っています。味はいたって普通、ブルーチーズ同様、想像通りの味です。鶏のから揚げにトマトソース乗せるメニューって、きっとどこかのファミレスがやってますね。そのくらいメジャーな味でした。決して外さないという意味では、おもてなし料理にも使えそうです。
ちなみに試しにかけるトマトの上から粉チーズかけてみたら、かけるトマトが温かくないせいか、余計なことやっちゃったって感じの味になりました。残念。
サワークリームオニオンディップ
サワークリーム好きです。ポテチもサワークリームオニオン味ラブです。だからこれを見つけた時は迷わず手に取りました。好きなものと好きなものが合体したら、おいしさ無限大!
今回、あれこれ試す中でいちばん楽しみにしていた味変です。
期待に胸を躍らせ一口食べてみたら、あれっ、おかしな方向に味変しましたよ? これサワークリームオニオン味のディップだよね?
サワークリームオニオン風味皆無、です。一応キューピーさんをフォローすると、マヨネーズだと思って食べると納得でした。「ああ、唐揚げにマヨ付けて食べてる感じだよね、うんうん」と。しかしながらサワークリームオニオン味って書いてあるんだから、その味期待するじゃないですか。その味しなけりゃおかしいでしょう。なお、「マヨじゃねーか!」と荒れた姿はうちの猫しか見ていません。
白和え
奇をてらった組み合わせに見えるかもしれませんが、豆腐はマヨネーズ代わりにソースのような使われ方もしているので、ありだと思いました。問題は味付けです。白和えのようにうっすら甘くするか、あるいはまず外すことはないであろう塩味でいくか、いっそなんの味付けもしないか。ここは自分の好みを優先するとして、白和えにしました。
市販されている白和えを唐揚げに乗せてみたところ、唐揚げの脂っこさ、くどさが緩和されてなかなかの高評価。
ただ食べてみてわかったのですが、白和えは「具なし」の方がよさそうです。写真をご覧になればわかるように、売っていた白和えはかなり具沢山だったのです。白和え単品で食べるならそれもいいでしょうが、今回の主役はあくまでも唐揚げ。ディップのような感覚で水切りしたほんのり甘い豆腐を乗せたほうが、間違いなくおいしいと思います。
というわけで、急きょ手抜き白和えの作り方を。豆腐(木綿でも絹ごしでもOK)を水切りし、そこに適当な量の砂糖とかつおだし(液体でも粉末でもOK)を混ぜればできあがり。これだけなら料理しない人でも作れますよね? それを唐揚げの上に乗せてください。ぜひ。
サルサソース
トマトソース乗せがうまいんだから、サルサソース乗せがまずいはずありません。予想通り、かなりクオリティの高いおいしさでした。サルサソースのほうがさっぱりしている分、個人的にには「かけるトマト」よりおいしかったかも。サルサソース自体はカロリーも低いというのも好感が持てます。辛党はぜひ、タバスコもお忘れなく!
コールスロー
ワンプレートの料理って、ひとつの皿にすべてが乗ってますよね。ならば唐揚げの上にサラダが乗っててもいいんじゃないのという発想で、コールスローを乗せてみました。「コールスローって、ケンタに買いに行かなくちゃいけないの?」と不安になった人がいるとしたら大丈夫、もちろん自宅で超簡単に作れます。
キャベツの千切りはスーパーでも多くのコンビニでも売っているのでまずそれを購入、できればその千切りキャベツをみじん切りにしてください。細かい方が唐揚げに乗せやすいしコールスローっぽいから。「いや俺は包丁を持つのすら嫌だ」という人は、もうそのままでいいです。そこに酢と砂糖、マヨを加えればはい完成。分量は、キャベツの千切り1袋に対して酢大さじ3くらい、砂糖大さじ1くらい、マヨネーズも大さじ1くらい。マヨネーズは意外に少なく、「これで足りるのかな」って不安になる程度で大丈夫です。入れ過ぎるとただのマヨ味サラダになってしまうので気を付けて。
で、これを唐揚げに乗せると、うわあおいしい! キャベツのさっぱり感を酢が引き立てつつも砂糖でコクとまろやかさを出しているコールスローは、想像以上に唐揚げと合いました。コールスローを作るのが面倒でなければ、ぜひおすすめしたいです。なお、コールスローににんじんも入れるとより彩りがきれいになりますが、コールスローの味に劇的な変化があるわけではないです。あくまでも彩りと栄養の問題です。
いろいろ試してみましたが、個人的には大根おろし&ポン酢(「ゆずか」ね)が他の追随を許さないぶっちぎり優勝でした。すこぶる残念賞がサワークリームオニオン味のディップソース、結構いけるね賞が白和え(具なし限定)とサルサソース、残りは想定内で外れなしの安定感、となりました。
唐揚げの味変、気が向いたら試してみてください。
書いた人:椿あきら
猫の下僕をしているライターです。猫と暮らすようになってから、断然家飲み派になりました。
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