日帰り旅に最適! 青梅の老舗蔵元「小澤酒造」&全国日本酒きき酒イベント「武蔵の國の酒祭り2015」

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創業1702年。江戸の元禄時代から続く酒造は意外に近代的!?

東京の西側、それもかなり西側、立川駅からJR青梅駅に乗り換え約45分のところに「沢井」という駅がある。都内でも有数の行楽地、奥多摩へ行く途中の駅だが、この沢井駅も、今や東京で大人気の観光スポットになっている。外国人も多く含まれる観光客のお目当ては、この地にある「小澤酒造」。銘酒「澤ノ井」の蔵元であり、関東を代表する酒造メーカーである。

 

ではさっそく沢井駅で下車してみよう。

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沢井駅は、青梅市にある。

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駅の階段を昇ると改札が……と思ったら、そこには誰もいない。そう、無人駅だ。日本の人口稠密地帯、東京に無人駅!ちょっとした驚きだ。

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駅前の坂を下ること2分。

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左手に小澤酒蔵が見えてきた。老舗らしく、風格のある外観だ。

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案内してくださったのは蔵元の22代目にあたる小澤順一郎社長。

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小澤酒造では無料の見学コースが設けてあり、通常はこの待合室でまず日本酒の作り方をレクチャーしてもらえる(月曜定休、月曜が祝日の場合は火曜休)。

「小澤酒造」の創業は1702年。江戸の元禄時代と歴史は古いものの、この酒蔵の製造工程は総じていうならば、かなり近代化されている。

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たとえば、江戸時代の蔵にあるホーローのタンクは貯蔵専用になっているし、

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製造用のタンクはステンレスで管理は万全。しぼりにも機械が使われている。これらは今日、大半の酒蔵メーカーに見られる光景だ。

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酒造見学は、蔵元の販売店の他、WEBサイトでも受け付けている。

 

清流のせせらぎを聞きながら、きき酒&ヘルシー和食

ところで、小澤酒造の楽しみ方は何も見学コースだけにあらず。実はその周囲の環境があまりに素晴らしいのだ。

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ひとまず蔵から出ると、そこには多摩川の渓流と岸辺には美しい庭園が広がり、目を楽しませてくれる。

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この庭園には、この酒蔵の日本酒をじっくり味わえる「きき酒処」も設置。小澤酒造で造られている、最上級の大吟醸「梵」、地名由来の「澤乃井」、居酒屋でも人気の「蒼天」、そして、酒飲みにはたまらないコストパフォーマンスの「大辛口」など、たくさんの日本酒ファンに愛されているお酒が利き酒で楽しめる(有料)。

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山の表情を眺めながらきき酒を。格別のひととき。

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きき酒処の前には、澤乃井ガーデンギャラリーがあり、自然の中で飲食が可能。秋はまさにベストシーズン!

ここで敢えて言いたいのだが、小澤酒造の造っている日本酒はそれだけじゃない。たとえば、酒造見学コースで紹介される、木桶造りの「彩は(いろは)」。 また、江戸時代の造りを再現した精米歩合90%の「元禄酒」もある。春先には限定流通商品として活性うす濁り酒「春の雪」や「蔵守」という古酒が売り出される。そして2015年末には、湖龍斎風の浮世絵をラベルに使った「初日に舞う鶴」なるお酒が発売されるそうだ。

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つまり、小澤酒造は、日本酒の奥深さ、面白さを体験出来る、幅広い日本酒造りをしている酒蔵なのだ。そして、これを可能にしている軟硬二種類の湧き水=仕込み水が存在していることも、銘記しておこう。

 

日本酒は飲めない、あるいはそこまで興味はないかも……という人も十分楽しめるのがこの酒造の魅力だ。たとえば、豆腐という食材の食感、味わい、栄養素を最大限に生かした豆腐料理が食べられる料理屋「豆らく」と、歴史ある旅館を改装した「ままごと屋」が徒歩圏内で営業している。

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ヘルシーな「豆らく」の吟糠の揚出し膳(1,550円)。

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豪華な「ままごと屋」の花コース(4,104円)。

川にかかった吊橋を渡ると、右手には中国蘇州より渡来した仏像が鎮座する寒山寺、坂を登っていくと「櫛かんざし美術館」もあるし、少し足を伸ばせば日本画壇の巨匠・川合玉堂の作品を所蔵する玉堂美術館もある。

東京の観光スポットの上位にランクされている小澤酒造には、多くの魅力的な仕掛けが用意されており、それを取り巻く自然と共に、訪れる人たちの心身を癒してくれるのだ。

 

お店情報

豆らく
住所:東京都青梅市沢井2-748ままごと屋敷地内
電話番号:0428-78-8223
営業時間:11:00〜16:30
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)

とうふ遊び・豆らく

 

ままごと屋
住所:東京都青梅市沢井2-748
電話番号:0428-78-9523
営業時間:11:00〜17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)

澤乃井まゝごと屋

 

有名酒造メーカーと飲兵衛が集う「武蔵の國の酒祭り」

ところで、日本酒好きにはぜひとも足を運んでいただきたいイベントをひとつ。小澤酒造の小澤社長が副会長を務める東京酒造組合が主催する「武蔵の國の酒祭り2015」が、来る9月12日(土)に開催される。内容は一言でいって、「全国各地の酒を集めた、大規模なきき酒大会」といったところだろうか。

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開催地である府中市の大國魂神社は、関東で最も古いと言われている神社。境内社として、お酒の神様が祀られている松尾神社があるパワースポットだ。

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去年の様子。チケット1,500円で全国のお酒のきき酒が可能!

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今年も多くの人出が予想されている。日本酒好きはぜひともチェックを!

 

書いた人:小宮義宏

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1960年福岡県生まれ。 愛称 flying penguin。2008年に、本業(映画&アート)の傍ら、日本酒の会を始める。その後、地域活性化の起爆剤として、日本酒と酒蔵が重要であると確信をもつようになり、2012年に日本酒文化の会を立ち上げ理事に就任。2013年から毎年開催されている「武蔵の國の酒祭り」を企画。国内外で日本酒を広めるプロジェクトを企画・プロデュースしている。

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