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世界のドローン18 火星の空をNASAの探査用ドローンが飛ぶ!?

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画像提供:NASA Illustration / Dennis Calaba

NASAは、地球から約1億5,000万キロ離れた赤い惑星の探索を行うマーズ・パスファインダー計画を1996年から行っているが、約5,600万平方マイル(9,600万平方キロメートル)もの火星の表面を、時速40マイル(時速約65キロ)以下でしか走れないランドローバーで探索するにはさすがに時間がかかり過ぎると考え、現在は火星探索用ドローンの開発に取り組んでいる。

見た目は巨大なブーメランのようなカタチをした火星探索ドローンのプロトタイプは、火星の薄い空気と、軽い重力の中で飛び続けられるようデザインされていることから、Preliminary Research Aerodynamic Design to Land on Mars(火星に着陸する予備調査を行うための空力設計)を略した、「The Prandtl-m」と名付けらている。機体の大きさは人が持ち上げられるほどで、重さは2.6ポンド(約1.1キログラム)と、火星の重力に換算するとちょうど1ポンド(約450グラム)になるよう超軽量化されている。機体にはマッピング用のカメラやセンサーが搭載されており、さらに小さなペイロード(荷物)を、追加で2つほど搭載できるようにしている。


画像提供:NASA Photo / Ken Ulbrich

ドローンは、NASAが2020年から24年に打ち上げを予定している、火星探索用の小型衛星「CybeSat」に搭載されたコンテナから落として飛行するように設計されている。火星の地表から2,000フィート(約600m)の高さを10分間自律飛行し、約20マイルの範囲(約52平方キロメートル)を高精細度で撮影した後に、あらかじめ指定された目的地に着陸させるが、火星には当然ながらGPSは存在しないので、どうやって正確な位置情報を割り出すかが課題となっている。現在進行中の飛行テストでは、バルーンを使って成層圏に近い10万フィート(約3万メートル)の高さまでドローンを持ち上げて切り離し、目的地に着陸させられるかなど確認している。

実は、NASAでは、以前にも火星の地表を空から探索するプロジェクトを企画している。2006年にスタートした「ARES(The Aerial Regional-scale Environmental Survey of Mars)Aereal」と名付けられたプロジェクトの機体は、グライダーに近い形状で燃料を使って飛行し、コントロールも外部から行うため、”ロボット飛行機”と呼ばれている。2010年に開催されたTEDxNASAでは、火星探索の必要性とともにARESがどのようなものだったかが紹介されているが、1回のミッションで1機しか火星に送ることができない。一方、開発中の火星用ドローンはさらに軽量化され、自律飛行も可能で、探索衛星や他の探索機と一緒に運べるなど、より効率化されている。

ドローンが撮影した映像が見られる日が来るのも楽しみだが、それよりも火星の空を飛ぶドローンの姿の方が見てみたい気がする。

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NASA
TED×NASAで披露されたARESのトーク

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