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暴力金融による建物占有

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 ある日の夜、もう寝ようかという11時くらいのことである。私の携帯電話に知人の公認会計士から電話が入った。
 会計を見ている会社が業務に使用しているマンションの一室があるが、それは賃借している物件である。ところが、家主が、ヤバイ筋から金銭を借りて夜逃げをしたとのこと。しかも、めぼしい財産はそのマンションの一室しかなく、そこに暴力金融の者数人が入り込んで、立ち退かないので、何とかしてもらいたいという話であった。

 会計士は、私を車で迎えにいくから、現場に共に行って欲しいという。行くしかないので、用意をして、迎えの車で現場に行くことになった。
 途中で、最寄りの警察署に寄り、簡単に事情を説明して、何かあったらすぐに電話をするので、来てもらいたいことを要請した。

 いよいよ現場である。到着してみると、暴力団金融の者が3人と会社社長がいた。「ナニワ金融道」ではないが、物件を占有することによって、金銭を回収しようというのだろうか。
 暴力金融の者は、白紙だが債務者の実印を押してある公正証書、やはり債務者の実印のある物件についての賃貸借契約書、さらには合鍵を見せて、権利があるのだと主張する。さらに、到着する前に、社長が物件を占有していいという内容の承諾書にサインをしてしまっていた。

 公正証書や賃貸借契約書があろうが、先に引渡しを受けている当方の賃貸借契約が優先するのは当然であるから、それに問題はない。そこで、社長に、承諾書作成の経緯について話を聞くと、予想どおり、半分脅し、半分お願い状態で、しかも特に何の問題もないといわれてサインしたものであると分かった。

 いずれにしても、居すわられたら、翌日からの仕事ができない。当然のことながら、お引き取り願うことにした。しかし、彼らも簡単に「はいそうですか」と出ていくわけではない。
 すったもんだしたあげく、では警察に電話をすると言うと、やや慌てて、上の者に電話をして相談をしている。その結果、電話で話をしたいというので、私が電話を代わった。上の者は、警察に電話をするという私の話をブラフと思ったのであろうか、それでもいいと強気な態度であった。
 電話を切った後、占有者に「可哀想に、これから警察に電話をするから、今日はどこに泊まることになるか分からないよ。おとなしく出ていけば、外の車の中で寝ることができるのに」と最後通告。

 占有者も、あせってきて、再度上の者に電話をして、私に代わった。彼に同じようなことを告げたら、さすがに私が本気だと理解したのだろうか、引き上げることに同意した。

 いったん出ていった占有者が、戻ってきた。私にお願いがあるのだという。聞くだけは聞いてあげることにした。一つは、カップラーメンを食べたいので、お湯だけもらえないかということ。まあ、その程度は了承してあげた。
 二つ目は、他の暴力金融からも金を借りているようで、その者たちも、追っ付けここに来るかもしれない、もし来たら頑張って入れないようにしてもらいたいということであった。「頑張って」とはどういうことなのかを聞くと、「体を張って」などととんでもないことを言う。外で見張っているあなたたちが、体を張って止められないものを、どうして私が止められるのか、止めることなどできない、対応は、あなたたちに説明をしたと同じようにすると返事をした。

 結局、会社は、一方的に契約を解除して、早々に別の賃借物件を見つけて、引っ越しをした。その後、その物件がどうなったかは分からない。

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暴力金融による建物占有

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