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【連載:映画で分かる女の本音】見ず知らずの人だから言える本音~『ロマンス』~

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映画『ロマンス』大島優子さんのAKB48卒業後初の主演作です。”ロマンス”というタイトルから「恋愛もの? 」と想像しがちですが、このロマンスには新宿と箱根をつなぐ特急ロマンスカーの”ロマンス”の意味もあり、そのロマンスカーでアテンダントとして働くヒロインが日常とは少し離れた場所で、自分自身のこと、自分の母親のことについて考え向き合う人間ドラマです。
大島さんの演じる北條鉢子を観ていると「ああ、自分もこういうところ、あるなぁ」と妙に共感してしまうんです。たとえば、得体の知れない何かにイライラしていること、ありますよね。また、一度でも“ダメ女子”と言われたことがある女子は、なおさら共感するかもしれません。というのも、物語の冒頭で鉢子が出かけるというのにベッドで眠っている彼氏。その彼氏を愛おしそうに、というよりも「なんだかなぁ……」というため息まじりの表情で見つめている鉢子。しかもお金をおいていってという彼の言葉に呆れながらも言われるがままそうしてしまう。わずかなこのシーンだけで彼女がこれまでどれだけのことを呑み込んで、諦めて、溜め込んできたのかが一瞬にして伝わってきます。
もちろん、反発したことも意見したこともないわけじゃないと思うんです。ただ、呑み込んだ方がラクなことに気づいてしまった、自分が我慢すれば、自分が少し頑張れば、自分が……と何でも受け止めてしまうようになってしまったのではないかと、たぶん。そういう女子は決まって仕事もできる人が多く、鉢子も例外ではありません。成績はいつもトップで、後輩の失敗もスマートに対処する。できる女です。
しかし、納得せずに呑み込んで溜め込んでしまったものは決して(心で)消化されることははく、いつかは外に出さなくてはならない。その吐き出す相手が鉢子にとっては、友人でも家族でも恋人でもない、勤務中のロマンスカーで出会った胡散臭い男、最悪な出会い方をした男・桜庭(大倉孝二)だったわけです。とあるきっかけで鉢子は彼と箱根を旅行することになります。見ず知らずの男と旅行? と、突飛な行動に映るかもしれませんが、見ず知らずの相手だから言える、吐き出せる、自分を繕うことなく呼吸できることもある。人って面白いです。そんな旅から見えてくるのは──自分を守るために必要であれば悩んでもいい、問題から逃げてもいいけれど、いつかは向き合う日が来る、ということです。鉢子の場合は、幼い頃からの母との確執について、母への複雑な想いと向き合うことでした。
日々、生きていくなかで「がんばって! 」という大げさなエールはいらないけれど、今よりも前に進むために、ほんの少しだけ背中を押してほしい時ってありますよね。この『ロマンス』は「そうだね、がんばらないとね」と、強ばった顔をふっと笑顔にしてくれるような、小さいけれどじんわりあたたかいエールを投げてくれる映画です。

 

『ロマンス』
東京テアトル
8月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
©2015 東映ビデオ

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