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「内定辞退率6割」に苦しむ採用企業 「学生の学業優先」無視した自業自得では?

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佳境を迎えている就職活動。今年から経団連に加盟している大手企業は8月からの採用選考となり、いわゆる「就活の後ろ倒し」が行われている。

しかし、すでに4月から採用選考を始めていた中堅以下の企業には、これが大打撃となっているようだ。2015年9月1日の「おはよう日本」(NHK総合)では、中堅企業の採用現場が就活の「後ろ倒し」で受けた、被害にも似た影響を伝えた。
「事業に影響が出るおそれ」指摘する会社も

8月下旬、東京都内の大学。首都圏を中心とする132社の人事担当者と24大学の就職担当者が集まり、就職活動「後ろ倒し」の影響を話し合う会合があった。大手企業が「影響は感じていない」とする一方、それ以外の企業は大手の選考が始まってから厳しい現実にぶつかっている。

「大手さんの内定が出てくると、今年はだいぶ(内定者が)漏れていった」(製造業)
「採用40人を目標にしているが、正直、半分に達しているかどうか」(情報サービス業)

辞退が約6割という製造業の採用担当者もいた。これまでの「大手企業の後に中堅以下の選考」という流れが逆転したことで、すでに多くの学生に内定を出していた中堅以下の企業は、8月から続出した内定辞退に頭を悩ませているのだ。

企業のシステム開発を手がけるある会社では、70人の採用予定で4月から採用活動を始め、辞退者を見込んで90人に内定を出していた。ところが8月に入ってから内定を辞退する学生が相次ぎ、入社の意思を示したのは予定していた半分の35人だった。

これに加え、大手企業の結果が出るまで待って欲しいという申し出も次々と寄せられた。採用担当者は、「電話が鳴るとびくびくしたり、メールも開いて『辞退』となると残念。今後の事業に関しても影響が出る可能性がある」と肩を落とす。
中小IT企業100社が「内定辞退」食い止めで協力

それでも、手をこまねいてばかりではない。中堅以下のIT企業が手を組み、学生側の了承を得た上で応募情報の共有化を行い、採用につなげようという取り組みがある。100社以上がまとまったことで、大学側も積極的に中堅以下の企業だけで開く説明会に応じてくれるようになった。

内定辞退を食い止めるべく、大手企業には難しい「若手育成プラン」で中小企業の魅力をアピールし、手応えを感じている企業も。入社4年目にして大きなプロジェクトの裁量権を任された女性が、活き活きとやりがいを語る場面も紹介された。

とはいえ、まだまだ中堅以下の企業の模索は続く。中には、例年なかった秋採用を実施したり、新卒を諦め中途採用での補完に切り替えたりするところが目立つという。いかに人材不足とはいえ、今までしなくて良かった心配や労力が注がれているとすれば、「採用の後ろ倒し」は、中小企業にとっては大きな混乱の元でしかなかったように見える。
抜け駆け行為で「辞退増えた」はおかしくないか

しかし今回の就活スケジュールの見直しは、もともと「学生の学業優先」や「就職活動の短期集中化」が目的で行われたものだ。大手が後ろ倒しをしたからといって、経団連非加盟の企業がその前に採用活動を行うこと自体、趣旨に反する抜け駆け行為ともいえるのではないだろうか。

抜け駆けで内定者を囲っておいて「辞退が増えた」と泣いても、それは自業自得という見方もできる。採用広報自体は早めに行うとしても、待遇などで大手に劣る中小は秋採用を主軸に考えることも必要なのではないか。もちろん採用期間が短縮するため、人材が確保できないリスクや不安はあるのかもしれないが…。

さもなければ辞退率が高まることを承知の上、早めに内定が出ることに魅力を感じる学生を少しでも引き止める努力をするしかなく、泣き言をいってもしようがない。なお、今年の就活生は大手がダメでも、将来有望な中堅どころを選ぶチャンスは大いにあるように感じた。(ライター:okei)

あわせてよみたい:「就活後ろ倒し」は失敗だった!?
 

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