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安倍首相が総裁選で無投票再選目指す理由 討論や議論が苦手

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 9月8日に告示される自民党の総裁選挙では、ライバルの石破茂・地方創生相や野田聖子氏を出馬断念に追い込み、安倍晋三首相の無投票当選が確実視されている。

 実は首相サイドは何が何でも無投票再選に持ち込むために石破グループの議員に対し、来年夏に行なわれる参議院選挙の“公認外し”などの圧力をかけていた。石破支持派の中核の一人・三原じゅん子氏も外されていた。

 安倍首相は総裁選が実施されれば、党員投票のために各地で候補者の討論会や立ち会い演説会が行なわれ、テレビ中継もされる。安倍氏、石破氏など5人が出馬した前回の総裁選(2012年)では12日間の選挙戦のうち11日間にわたって演説会や討論会がセットされ、多い日は1日3回開かれた。実は、安倍首相は討論会や議論が得意ではない。

『ドキュメント安倍晋三』(講談社刊)などの著書で首相の多くの友人や恩師、職場の上司を取材した政治ジャーナリスト・野上忠興氏が語る。

「安倍氏は自我と自己主張が強いタイプで自分の考えと違う意見に対しては思考を遮断してしまう傾向がある。だから本質的に議論が苦手。国会でも野党議員にヤジを飛ばし、党首討論では、得意分野のはずの安保法制について野党党首から質問されたことに正面から答えようとしない。

 テレビに1人で出演したときは饒舌だが、気に障る質問をされただけでイヤホンを外してしまう。その点、石破氏は安保法制の論客であり、野田氏も演説や討論がうまいので、テレビで討論したくないのではないか」
 
 そんな安倍首相が総裁選で野田氏とぶつかればどんな“論戦”が展開されるか。前哨戦ともいえる舞台があった。

 7月26日に開かれた国際女性ビジネス会議では、安倍首相が霞が関で導入した「ゆう活」(仕事の開始時間を早めて夕方からオフを楽しむ生活)について、公務を早めに切り上げて、「秘書官らと上野の美術館で絵画を鑑賞した後、近くの定食屋で晩酌を楽しんだ」というエピソードを披露した。

 するとその後に登壇した野田氏は、「ゆう活に参加できない人たちがいる。それは子育てしている女性たちだ」と正面から切り込み、安倍首相を挑発するようなこんな発言も飛び出した。

「これからのリーダーは強いリーダーではない。多様性とは自分が受け入れられない、嫌だと思っている人たちも受容する力なんです。力強いリーダーはややもすると独裁してしまう」

 野田氏の講演時にはすでに安倍首相は退席していたが、総裁選のテレビ党論でこれをやられると、ムキになって横綱相撲どころではなくなるかもしれない。

 だが総裁選を避けたい理由はそれだけではなさそうだ。前述のように、党員投票が実施されると各地で討論会が組まれるため、ハードな日程をこなさなければならない。

 自民党役員会(8月24日)では『週刊文春』が報じた「吐血報道」を「血を吐く思いで頑張っています」とジョークを交えて否定してみせた安倍首相だが、永田町では首相の体調不安説が消えない。官邸の側近たちの間では、「残暑の中、総理を全国の討論会に回らせて余計な神経と体力を使わせることは避けるべきだというのが無投票再選に走る大きな理由だ」という。

※週刊ポスト2015年9月11日号


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