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グーグルの定額制音楽配信サービス「Google Play Music」日本でスタート、担当ディレクター サミ・ヴァルコネン氏インタビュー

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「日本の音楽マーケットの成長ポテンシャルは極めて高い」
グーグル定額制音楽配信サービス「Google Play Music」日本上陸
Google Play 音楽パートナーシップ担当ディレクター サミ・ヴァルコネン氏

Google Play 音楽パートナーシップ担当ディレクター
サミ・ヴァルコネン(Sami Valkonen)
 グーグルの定額制音楽配信サービス「Google Play Music」が9月3日に日本でスタートした。そのアプリは世界で10億回ダウンロードを超えるというモンスターミュージックサービスの日本リリースが、なぜこのタイミングになったのか。「日本の音楽マーケットの成長ポテンシャルは極めて高いものがある」と語るGoogle Play 音楽パートナーシップ担当ディレクター サミ・ヴァルコネン(Sami Valkonen)氏にお話を伺った。
Sami Valkonen氏 PROFILE 参考
(JiRO HONDA)2015年9月3日掲載

不完全なカタチでのスタートは避けたかった

—— 日本でのサービス開始がこのタイミングになった経緯というのは?

ヴァルコネン:私がグーグルにジョインして約5年になりますが、当初からの最も重要なミッションはGoogle Play Musicをできるだけ早い段階で世界に普及させることでした。

私が日本の音楽業界の方とお話しするために初めて来日したのが2011年でした。当時は、音楽サービスを提供しようという計画はあったものの、ライセンシングもなかったですし、具体的に提供しているサービスもありませんでした。

2011年当時、日本はまだデジタルミュージックサービスを提供できる環境が整っていませんでした。ユーザーの方々に本当に喜んでいただけるようなカタチでサービスを提供したかったので、妥協して不完全なカタチでスタートするということは避けたかったんです。

それから、何度も日本の音楽業界の方と話し合いを重ね計画を進めてきました。その中で日本のレーベルに友人と呼べる方も何人かできましたし、ようやく長年の努力が実って、今回日本でもGoogle Play Musicをスタートすることができました。

【関連記事】Google Play Music 本日国内スタート、定額制3500万曲以上聴き放題 5万曲保存の無料ロッカー機能も

日本の特徴 “所有欲” も満たすサービス構成

—— 2015年は日本で「Apple Music」「AWA」「LINE MUSIC」など、サブスクリプション音楽ストリーミングサービスが一斉にスタートしましたが、その事は今回のGoogle Play Musicの開始に影響しましたか?

ヴァルコネン:まずGoogle Play Musicは、他社のサービスと根本的に違います。Google Play Music は、サブスクリプション、ストア、ロッカーの3つのサービスを一つにまとめたものになっています。

サブスクリプションでは、他サービスと同様、定額でライブラリに自由にアクセスできるサービスになっていますが、楽曲数において、現状で3,500万曲以上と他のサービスに比べてもかなり大きな規模になっています。

さらに、コンテクストベースでの検索ができるコンテクスチュアル・プレイリストを提供しますし、アーティスト単位、アルバム単位でプレイリストをユーザー自身で作っていただくこともできます。

音楽を聴く環境に関しては、インターネットに接続できる環境であれば、モバイルでも、PCでも、タブレットでも、あるいはクロームキャストなどのサウンドシステムでも利用ができますし、オフラインで楽しむこともできます。

また、大きな特徴として、無料のロッカー型サービスを用意しています。個人で所有している音楽を5万曲までクラウドに保存できます。

日本のマーケットの特徴と言えるかもしれませんが、日本の音楽愛好家は自分で所有したいという要望が強いという点において、ミュージックストアの重要性が他のマーケットとは異なると考えています。

Google Play Musicでは、楽曲を購入してクラウドのロッカーに保存すれば、永遠に無料で聴くことができますし、新しいデバイスを購入したとしても、Googleアカウントにアクセスしていただければ、以前に購入したクラウド上に保存されている音楽も簡単に聴くことができます。

>> コンテクスチュアル・プレイリストのパイオニアとして

グーグルの定額制音楽配信サービス「Google Play Music」日本でスタート、担当ディレクター サミ・ヴァルコネン氏インタビュー(2/3)

「日本の音楽マーケットの成長ポテンシャルは極めて高い」
グーグル定額制音楽配信サービス「Google Play Music」日本上陸
Google Play 音楽パートナーシップ担当ディレクター サミ・ヴァルコネン氏

コンテクスチュアル・プレイリストのパイオニアとして

—— サービスとしてGoogle Play Musicが大事にしていることを教えてください。

ヴァルコネン:まずはユーザーの方々に新しい音楽を発見していただくために、今までにはない新しい手法を提供するということでしょう。例えば、ユーザーの嗜好が蓄積されればより良いレコメンデーションが提供できる、それが強みだと思っています。また、サービスとして提供するのであれば、それはユーザーにとって使い勝手の良いものであるべきだと考えます。

先ほどコンテクスチュアル・プレイリストについて少々ふれましたが、そこでは音楽の専門家がそれぞれの状況に合ったプレイリストを作っています。例えばアクティビティや、音楽を聴くときのムードなど、そうした環境に合った音楽を簡単に聴くこともできます。

それから非常に重要な点は、私たちのプレイリストは全てカスタマイズすることが可能だということです。ですから、こちらで用意したプレイリストから楽曲を削除することも、追加することも可能です。また曲順を変えることもできます。

—— プレイリストの作成には、昨年買収したSongzaのリソースも、もちろん活かされている?

ヴァルコネン:コンテクスチュアル・プレイリストの重要性に関しては、以前からも認識はしていました。そこで私たちは色々な技術を見てきたのですが、その中でも、Songzaの技術が最もコンテクスチュアル・プレイリストの作成および楽曲のディスカバリーに役立つだろうと注目しました。

現在では競合他社も含め、みなさんがコンテクスチュアル・プレイリストの話をしていますが、実際にこういう考え方をパイオニアとして打ち出したのは私たちであると自負しています。

また、弊社のマーケティングチームが考えた実生活とコンテクスチュアル・プレイリストとの融合を図っていくということも素晴らしいアイディアだと思います。仮想的なテジタルの世界と物理的な実世界を組み合わせるということは、コンテクストの考え方そのものだと思います。

▲Google独自のレコメンデーョンでユーザーの好みを反映したプレイリストが自動的に形成される

—— 日本の音楽市場は独特なので、Google Play Musicの戦略もグローバルのそれと比べて違ってくると思うのですが、その辺りはいかがでしょうか?

ヴァルコネン:日本のマーケットは潜在的に成長の可能性が非常に高いマーケットだと見ています。日本はデジタル機器の普及度に関しては間違いなく世界の中でもトップクラスです。日本人は一人あたり平均でインターネットに接続するデバイスを2.4個所有しているというデータもありますし、全人口の50%以上がスマートフォンのユーザーです。

ただ、その他の先進国と比べると、音楽とテクノロジーの融合という点に関してはだいぶ遅れている部分があると思います。音楽において、日本は全世界でも2番目に売上の高いマーケットですが、IFPIの数値を見ますとデジタルの売上が占める割合はまだ17%程度です。アメリカだとそれが71%ですから、やはりまだ大きな隔たりがあります。ちなみに、デジタル売上の割合はイギリスだと45%、韓国は58%です。

テクノロジーを使いながら、物理的な環境からの移行をサポートしてテジタルの音楽を普及させていくということは、日本の音楽業界を再度活性化させることにも役立つと思っています。まさに今こそ、そういった取り組みが必要なときだと思っています。

まだ日本の音楽業界とは、色々な形で協力しなければならない分野が、残されてもいます。例えば、日本のアーティストの中には自分の楽曲をデジタルで配信しないというポリシーを貫いている人もいますし、レーベルの中でも新曲に関してはデジタル配信の対象にしないというところもあります。

音楽のマーケット全体を考えた場合、そういったことが果たしてメリットとなるかどうか、しっかり納得していただく作業を進めていかなくてはならないでしょう。

>> モバイル環境で音楽を聴くことを念頭に設計

グーグルの定額制音楽配信サービス「Google Play Music」日本でスタート、担当ディレクター サミ・ヴァルコネン氏インタビュー(3/3)

「日本の音楽マーケットの成長ポテンシャルは極めて高い」
グーグル定額制音楽配信サービス「Google Play Music」日本上陸
Google Play 音楽パートナーシップ担当ディレクター サミ・ヴァルコネン氏

モバイル環境で音楽を聴くことを念頭に設計

—— 日本での楽曲使用の交渉は難しいですか?

ヴァルコネン:私たちのサービスを日本のマーケットで成功させるためには、日本のメジャーレーベルのみなさんと、いかに上手く協業していくかが1つの大きなカギになるでしょう。

最初に「なぜ今Google Play Musicを立ち上げるのか」と質問されましたが、今がタイミングとして非常に良いんです。日本の音楽業界と色々な形で意見が一致し、楽曲も揃ってきました。ユーザーにGoogle Play Musicを魅力的だと思ってもらえるようなカタログが提供できるレベルに達したからこそ、今回サービスの立ち上げに至ったんです。

—— Google社が提供する音楽サービスにはYouTube Music Keyもあります。それとの違いというのは?

ヴァルコネン:YouTubeは私たちのパートナーでもありますので、緊密に連携しながら取り組んでいます。YouTubeとGoogle Play Musicとの一番の違いは、Google Play Musicは当初からモバイル環境で音楽を聴くことを念頭に作られているという部分です。

YouTubeは素晴らしいブランドでありますし、多くの人々のサポートをいただいているのも確かです。Google Playもまた素晴らしいブランドの1つでもありますし、そのブランドの一部として仕事ができるというのは私たちの誇りでもあります。

2016年、ともに日本の音楽業界を再活性化へ

—— 日本の音楽市場の率直な印象をお聞かせください。

ヴァルコネン:繰り返しになりますが、日本のマーケットがこうしたデジタルサービスの重要性をきちんと理解してくれさえすれば、日本の音楽マーケットの成長ポテンシャルは極めて高いものがある、というのが率直な印象です。

日本は確かに特色のあるマーケットだと思いますし、その特色を尊重もしています。その上で、Google Play Musicをもっと広めていければと思います。グローバルでデジタルな音楽ビジネスのトレンドが進行していることは事実ですし、そのトレンドとは全く別の道を日本が永久に進んで行くわけにもいかないと思いますので。

—— 最後に、日本の音楽業界、ミュージシャン、ユーザー、それぞれにメッセージを。

ヴァルコネン:日本の音楽業界の方々とは、ともに取り組みを進めていって、2016年は日本の音楽業界が再び活性化へ向かう、そういう道を探っていければ何よりだと思っています。お互いに緊密に協力することで、日本の音楽業界をもう一度盛り上げようというミッションを達成するお手伝いを是非させていただきたいと思っています。

ミュージシャンのみなさんは、これからも素晴らしい音楽を作り続けて欲しいです。仕事柄、これまで色々な日本の音楽を聴いてきましたが、日本のアーティストも非常に素晴らしい音楽を作っているなと感じています。

日本の音楽ファンへはシンプルに、是非Google Play Musicにアクセスして音楽を楽しんでください!

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