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割増賃金がない会社ってあるんですか?

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Q.

 僕は週に1日、朝8時~夕方6時半までアルバイトをしています。休憩時間を引いて1日9時間半の時給をもらっているのですが、8時間以降の1時間半分に割増賃金がついていません。このことを店長にきいてみたところ、「うちの会社は割増賃金がない形態だから」といわれてしまいました。こういった会社って法律的にオッケーなんでしょうか?

(10代:男性)

A.

 状況を整理すると、朝8時~夕方6時30分までの就業。そのうち、1時間の休憩があるため、実働時間は9時間半。この9時間半の労働時間について、すべて当初決められていた通常の時給での賃金が支払われているということですね。
 そして、8時間を超えた1時間半分については割増賃金(時給×0.25の加算部分)が支払われていないということになるのではないかとの疑問ですね。
 お答えから先に申し上げると、一般的に考えれば、法律的にアウトの可能性が高い状況だと言えます。

 基本的には、バイト先は1日8時間の労働時間を超える部分については、通常の時給に加えて、25%以上50%以下の割増賃金を支払う必要があります(労働基準法37条1項参照)。
 これは、仮に支払わない場合、使用者(バイト先の経営者)には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる、極めて厳しいルールとなっています(労働基準法119条1号参照)。

 ただ、例外的に一部の労働形態では8時間を超えた部分について、割増賃金を支払わないでよいケースもありえます。それは、変形労働時間制を採用している場合です。
 例えば、忙しい曜日と暇な曜日が決まっている場合に、忙しい曜日の労働時間を予め10時間と長く設定しておき、反対に暇な曜日の労働時間を6時間と短縮化しておくという運用を可能にするものです。この場合、忙しい曜日は10時間を超えないと割増賃金が発生しないことがありえます(労働基準法32条の2などを参照)。

 もっとも、こうした変形労働時間制を導入するにあたっては、あらかじめ就業規則などにおいて定めたうえで、労働監督基準局などに届け出る必要があります。また、労働時間の管理が大変複雑になるためあまり活用されていないという側面があります。
 そのため、「うちの会社は割増賃金のない形態だから」という言葉が、「変形労働時間制を活用しているから」と考えれば割増賃金が支払われないケースは、間違いではない可能性はあるものの、念のため就業規則や、アルバイトを始めた時に貰ったであろう雇用契約書などを確認して、本当に会社側が言っていることが正しいかを確認する必要があると考えます。

 万が一、そうした規定がない場合は、割増賃金の支払いをしないことは違法になります。そのときは、バイト先に支払いを求めるように交渉するか、相手方が応じるような素振りを見せない場合は、労働監督基準局などに相談することをおすすめします。

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割増賃金がない会社ってあるんですか?

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