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財務省 安倍政権に消費税10%実現させて使い捨てとの見方も

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 霞が関は「権力の消費者」でもある。総理大臣の支持率が高く、権勢を振るっているときは、その懐に入り込んでともに貪る。だが、いったん落ち目になると、残った権力をとことん使わせ、役所に都合のいい政策を進めさせようとする。霞が関で、官邸で、官僚たちはどう動こうとしているのか。本誌伝統企画・覆面官僚座談会を緊急招集した。出席者は財務省の中堅A氏、経産省中堅B氏、外務省若手C氏、文科省若手D氏だ。

──安倍晋三首相が財務省の悲願とする消費税10%への引き上げを先伸ばししたことで財務省がヘゲモニーを失うと、霞が関では各省庁がここぞと“予算青天井”でハコモノ建設を競い合っている。新国立競技場はその典型だが、奇しくも安倍政権の支持率が急降下すると同時に、膿が噴き出した。

財務A:とくにお友達大臣がいる役所が目に余る。国立競技場の建て替えにしても、文科省は主計局から「1300億円までしか出さない」といわれていたのに、着工さえしてしまえば、あとは森喜朗・元総理や下村博文・文科相が追加予算を取ってくれるとタカをくくって3000億円以上の計画を進めた。「官邸主導」に便乗した役所のモラルハザードも甚だしい。

文科D:ウチですか。さんざん叩かれて局長も詰め腹を切らされたのですから、勘弁してください。

経産B:財務省はすっかり舐められている。高市早苗・総務相、世耕弘成・官房副長官という総理側近を後ろ楯にしているNHKも渋谷の本社を3000億円かけて建て替える方針を決めた。建設費は「みなさまの受信料」で賄うから国費ではないが、五輪会場がこれほど批判を浴びているときに、よくやれるものだ。

財務A:しかし、常識的に見てNHKの新本社も簡単にはいかない。

──新国立もNHKも政治案件。いよいよ財務省が覇権を取り戻すために官邸への反撃に出る?

経産B:反撃も何も、官邸vs財務省のリターンマッチは来年夏の参院選前に組まれている。総理は消費税10%への引き上げを再来年4月まで延期した際、「再び延期することはない」と断言し、財務省は消費税法を改正して景気条項(※注)を削除した。ところが、中国経済の不安定化で株価が急落、需要がはっきり陰ってきた。

【※注/景気が悪化した際には増税を停止できることを記した条文。改正前の消費税法附則18条】

 総理のブレーンたちの間には「消費増税を再延期すべき」という意見が根強い。仮に総理が消費税を再延期する場合、選挙への効果を考えると参院選前に決定する必要がある。

文科D:リターンマッチも官邸が優勢なんでしょう?

外務C:いや。昨年の財務省との戦いのときはまだ総理には高い支持率があった。だから解散・総選挙を打つことができた。

 しかし、今はそこまでの力はない。財務省も敗戦の傷はまだ癒えていないが、今度は総理の支持率が落ちていくのを下で口を開けて待っていればいい。野田政権に消費税増税法案を成立させて使い捨てにしたように、安倍政権も消費税10%に引き上げさせて、参院選に負ければ使い捨てにすればいいと考えているんじゃないですかね。

財務A:総理の支持率が下がった責任は少なからず外務省にあるのに、C君はよくそこまで無責任な言い方ができるもんだね(苦笑)。

●司会・レポート武冨薫(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2015年9月11日号


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